“治らない” “どんどん忘れる”…小学生の息子に夫の「若年性認知症」の真実をどこまで伝えるべき?【漫画】
見た目は変わらないのに、どんどん記憶が薄れ、“自分が知らない”夫になってしまったら…? 時間や場所の感覚がなくなり、家族の顔でさえわからなくなる病「若年性認知症」を真っ向から取り上げ、SNSでも話題のコミックエッセイ『夫がわたしを忘れる日まで』(吉田 いらこ 著)から一部を公開します。 【前話を読む】「この人は本当に私の夫?」一度も声を荒げたことのない夫に怒鳴られ…“人格を変える”若年性認知症という病
ごまかし続けるのも限界がきていると、陽翔に若年性認知症について話すべきなのではと話し合っていたが、翔太は「全部オレのせいだ」と言い、突然大きな声で彩を罵倒し始める。
付き合っているときから今まで、声を荒げることもなく、いつも困った顔をして笑っている姿しか見たことのなかった彩は、目の前にいる翔太が、自分の夫である翔太とは別人のように感じてしまう。 「家族みんな翔太のために頑張ってる」と伝えると、さらに翔太は罵り続け……。
そんな様子を陽翔に見られていたことに気づいた翔太は“いつもの翔太”に戻り、「オレどうかしてた」と激昂していた自分に戸惑う様子を見せるがーー。
驚かせてごめんね さっきのお父さん怖かった…
陽翔… なんであんなに怒ってるの? 今日のぼくのせい? 違うよ 陽翔のせいじゃない
ねぇ お父さんに何があったの?
陽翔 ごめんね もう少し大きくなってから話そうと思ってたんだけど… お父さんはいろんなことを忘れちゃう病気なの
陽翔にはまだ難しいかもしれないけど 若年性認知症っていう病気でね 買い物の仕方とか 家の帰り道とか
いろんなことを覚えておくのが難しくなっちゃうの お店で商品を買わずに出てきちゃったのもそのせい
今までちゃんと話せなくてごめんね お父さん死んんじゃうの? ううん 死なないよ
ねぇ お父さんの病気治るよね? 病気が治ったら…
そしたらさぁ 元のお父さんに戻るよね? ねぇ?