“道後温泉本館”全館営業再開まで1か月!「未来につなげるスタートの年に」地元ホテルや商店街店主の取り組み
道後温泉で使われる「乱れ籠」は滋賀の工芸品 職人の思いは
「未来へつなげる」。道後からおよそ400キロ離れた滋賀県からもそんな思いが届きました。 蛯谷工芸3代目 蛯谷亮太さん: 「こんにちは。初めまして」 きょう昼過ぎ、車で道後にやってきた蛯谷さん親子。その目的は…?
蛯谷さん: 「素材が全部紙なんですよ。だからこれだけ軽くて、和紙をここまで張り込んでるんでしっかりと丈夫に仕上がってるんです」 1か月後、道後温泉本館の休憩室で入浴客の浴衣などを入れるための「乱れ籠」として使われる籠を届けるためです。
蛯谷さんが手掛けるのは、工芸品の「近江一閑張」。一般的な「一閑張」で使う竹の代わりに紙ひもを使って形作るのが特徴で、隙間なく張った富山県産の色和紙に柿渋を塗って固く仕上げていきます。 蛯谷さん: 「竹とかだとささくれがあったりするんですけど、紙の上から和紙を張ってるんで、手にも優しいですし、お着物とか引っかからないように作ってるんです」 およそ50年前に祖父の金介さんが考案した技法を受け継ぎ、3代目として箸やお盆などの道具作りに励む亮太さん。「最後の納品は自分の手で」と、初めて二代目で父の豊さんと道後を訪れました。
蛯谷さん: 「お~!!すご~!歴史の重さを感じますね」 父・豊さん: 「うれしいですね、自分たちが作ったものを全国各地から来られた方に使ってもらえるというのはうれしいこと」 蛯谷さん: 「7月以降来よ、温泉入りにこよ」 蛯谷さん: 「使ってみて、いい物やというのを感じ取っていただきたいと思います。使いやすさとか軽さを感じてもらいたいです。僕で今3代目なんですけど、近江一閑張というものを4代、5代目に伝えていけるような価値あるものにしていきたいと思います」