ECB、段階的な利下げ適切=シュナーベル専務理事
[フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は30日、ユーロ圏のインフレ率がECBが目標とする2%を下回る可能性は低く、段階的な利下げが適切になるとの見解を示した。 シュナーベル氏はフランクフルトで行った講演で「インフレ率が目標を大幅、かつ持続的に下回るリスクは小さい」とし、2025年の伸びの予測は潜在的な水準に近いため、景気を刺激も冷やしもしない中立金利を下回る水準まで政策金利を引き下げる必要はないと述べた。 その上で、ディスインフレは順調に進んでいるとしながらも、インフレとの戦いはまだ終わっていないため、制約的な政策を段階的に解除していくアプローチが適切になると指摘。入手されるデータに基づき、時間をかけて政策金利がどの程度制約なのか検証していく必要があるとの考えを示した。 シュナーベル氏はタカ派として知られる。 来週に迫った米大統領選については、ECBはシナリオ分析を実施し、安全保障問題と並ぶ最大のリスク要因の1つであり、経済成長とインフレに潜在的な影響が及ぶ可能性があると結論付けたと指摘。ただ、ECBは多様なシナリオを検証したとし、「即座に対応する必要はないと考えている」と述べた。