【MLB】 Wソックス・クローシェは今冬トレード確実 フィリーズ、ドジャースらが争奪戦か
ホワイトソックスのエース投手ギャレット・クローシェは今オフのトレードが確実視されている。「ESPN」のバスター・オルニーはクローシェのトレード先候補として、フィリーズ、パドレス、ヤンキース、ドジャース、ブレーブス、オリオールズ、レッドソックス、メッツの名前を挙げた。 【動画】Wソックス・クローシェが10K快投!
25歳のクローシェは、先発に転向した今季に大ブレイク。146イニングで209三振を奪い、防御率は3.59と、今球界で最も支配的な先発の一人に成長した。ただ、ホワイトソックスは41勝121敗と大きく負け越し、その再建はまだ始まったばかり。あと2年しか契約が残っていないクローシェの放出は「時間の問題」と見られ、今オフ中のトレードは確実な様相を呈している。 オルニーによれば、ホワイトソックスはクローシェの対価として再建の柱となり得る野手のプロスペクトを求めているとされてきた。しかし、プロスペクトの質と量次第では、投手中心のパッケージでもトレードを検討するようだ。 クローシェ争奪戦において、ライバルよりも優位な位置にあるのがフィリーズ、オリオールズ、レッドソックスの3球団かもしれない。 フィリーズは「夏のトレード市場でも、アンドリュー・ペインターをトレードに含めることに同意していれば、クローシェを獲得できた可能性が高い」とオルニーは評価している。21歳のペインターは健康ならば球界トップクラスと評価されるプロスペクト投手だ。また、フィリーズには20歳のエイダン・ミラーという三塁手プロスペクトもおり、その2人のいずれかを含めたパッケージを提示できれば、クローシェ獲得に大きく近づきそうだ。 そして、オリオールズは昨オフにコービン・バーンズをブリュワーズから獲得したように、分厚いプロスペクト層(特に野手)を誇るチームだ。バーンズがFAとなって先発投手が足りない上、野手プロスペクトが多いオリオールズと、再建の柱となるスター候補の野手を求めるホワイトソックスは利害が一致する。ある情報筋によれば、オリオールズのクローシェへの関心は「真剣」だと伝えられている。 レッドソックスもオリオールズと同様、野手プロスペクトを多く揃えている。さらに三塁守備に不安を抱えるスター選手のラファエル・デバースを近い内に一塁にコンバートする可能性もあり、その場合、若き大砲トリストン・カサスをトレードすることもできるだろう。 クローシェを獲得する最大のメリットは彼の年俸の安さにもある。クローシェの今季の年俸はわずか80万ドルで、残り2年の年俸調停でも法外に高騰することはありえない。クローシェを獲得した球団は、今オフにも残り2年の調停分の買い取りを含めた長期契約を結ぶこともできるだろう(昨オフにドジャースがタイラー・グラスナウと長期契約を結んだように)。 一方で、クローシェには健康のリスクがある。クローシェはここまでのキャリアでも、故障との戦いに費やす時間が長かった。今季も健康のリスクに配慮し、後半戦からはイニングを制限。結局、32先発で146イニングを投げるに留まった。 年俸の安さというメリットと、健康上のリスクというデメリットは、そのままポスティングでメジャー挑戦を目指す佐々木朗希にも当てはまる。クローシェ獲得に乗り出す球団の多くが佐々木朗希の獲得にも乗り出すと見られている球団だ。保有期間の長さ・年俸の安さ・ポテンシャルという点では佐々木がクローシェを上回っており、クローシェ争奪戦は佐々木の契約先が決まった後、佐々木を取り逃がした球団の間でヒートアップするかもしれない。