【中山牝馬S】コンクシェル 二枚腰で重賞初制覇 岩田望お見事エスコート「選択肢が増えた」
「中山牝馬S・G3」(9日、中山) 混戦のハンデ重賞を制したのは5番人気のコンクシェル。岩田望がパートナーの性格、レース展開、馬場状態を読み切った見事なエスコートで重賞初勝利を成し遂げた。 「前走で思い切ったレースができたので、きょうはハナへ行きました」と鞍上。この戦法がズバリで、前半5Fが61秒5のスローペースに持ち込んだ。淡々と流れる道中で馬のリズムを守って体力を温存した分、3角で後続がまくり気味に追い上げても慌てずに対処できた。「10Rで内が伸びなかったので、直線は外へ出しました。追ってからの反応もありましたよ」。きょうの傾向を見極め、直線は馬場の真ん中を力強く駆け抜けた。 大事にしたのは馬のリズム。昨夏は強いレースで条件戦を連勝したものの、果敢に挑戦した重賞では全く自分の競馬ができなかった。それを鞍上も分かっているだけに、「この馬のリズムで走ることを心掛けました」と、気分良く走らせることに重きを置いた。これが結果として、この馬の能力を最大限に引き出す形へとつながった。 次戦は未定だが、岩田望は「重賞を勝ったことで、この先の選択肢が増えました。楽しみですよ」と伸びしろいっぱいの4歳馬に大きな期待を寄せた。3歳時には高い壁に阻まれたが、再び大舞台へ-。その道がはっきりと開けた。