リアルな〝ベタ〟でヒット狙う 「ガチャガチャに染まった私の人生」 原点は〝こむしちゃんのかんづめ〟
きっかけは、幼い頃に買ってもらった「こむしちゃんのかんづめ」――。ガチャガチャに魅了され続けた女性が選んだ道は、ガチャガチャを手がけるメーカーへの就職でした。そこで生み出したオリジナル商品について、ガチャガチャ評論家のおまつさんが取材しました。 【画像】「縁起がいい」とXで話題の「蛇輪」
最初の一歩は「こむしちゃんのかんづめ」
ガチャガチャに魅せられて、人生が変わった人がいます。スタンド・ストーンズの藤田真理さんもその一人です。 ガチャガチャとの出会いについて、藤田さんは「小学一年生の頃、父親からお土産にユージン(現タカラトミーアーツ)から発売していた『こむしちゃんのかんづめ』のガチャをもらったとき、嬉しくてたまりませんでした。そこから、ガチャガチャにハマりました。とくにユージンの商品が好きすぎて、周りの友達にユージンの魅力を伝えても周りの反応は冷たかった」と笑って教えてくれました。 藤田さんが20代の頃、千葉県の船橋にあるユージンの店舗でアルバイトで働き、そのまま好きが講じて商品を作る側になり、15年以上ガチャガチャに携わっています。 藤田さんが所属するスタンド・ストーンズこそ、藤田さんが憧れていたユージンで出会ったメンバーでできたメーカーです。スタンド・ストーンズは、「鬼滅の刃」がコロナ禍で大ヒットする前からいち早くその存在に気づき、フィギュアなどを商品化して業界では話題になりました。 また、スタンド・ストーンズはアニメや漫画などキャラクターのIP商品のほか、作家やノンキャラクターのオリジナルも手掛けています。
ヒレの美しさ、刺さるのでは
藤田さんはIP商品を多く作っていますが、今回はオリジナル分野で初めて担当した「奇奇奇シリーズ」の「闘魚 ーベター(以下、ベタ)」を紹介します。ベタは1月に発売されました。 「奇奇奇シリーズ」とは、奇麗なもの、奇妙なもの、奇抜なものをリアルテイストに寄せた雑貨シリーズとして、藤田さんが企画したもの。 ベタは熱帯の国・タイ原産の熱帯魚。 カラフルで鮮やかな鱗の美しさと長いヒレが目を惹きます。タイではベタの雄を一対一で闘かわせる魚として、和名では闘魚とも言われます。 ベタを選んだ理由として、「ガチャガチャでは爬虫類、昆虫など人気がありますが、あえてそこは狙わずに他メーカーがあまり手掛けていないベタを選択しました」(藤田さん)。 さらに、藤田さん自身がベタを飼っていた経験もあり、ベタの特性とヒレの綺麗さがお客さんに刺さるのではないかという、今までのものづくりの経験から培ってきた直観もあったそうです。一方で、藤田さんはプレッシャーを強く感じており、「オリジナルでここまでしっかり担当したのは初めて。IP商品は注文数も安定していますが、オリジナルは別です。注文数もそうですが、売れるかどうか不安でした」と話してくれました。