リアルな〝ベタ〟でヒット狙う 「ガチャガチャに染まった私の人生」 原点は〝こむしちゃんのかんづめ〟
サイズもリアル「本物に見せたらケンカするかも」
そのベタを商品化する上で、藤田さんは「お金をかければ売れるのは当たり前です。 コストをかけずに、見ているだけで綺麗なベタをリアルにフィギュアで再現したかった」と話します。サイズはほぼ1分1のサイズ。「ベタを飼っている人はカプセルを開けた瞬間に『わあっ!』と絶対喜んでもらえる造形になっています」。 また、「鮮やかな色彩と舞うようなポーズの魅力を表現したくて」と、「ボールジョイント」を使用しました。ボールジョイントとは、球体に丸棒をつけ部品と部品をつなぐもので、スムーズな可動ができます。 岩の台座の種類も3パターンあることで雰囲気を変えることが出来るのも特徴です。「ボールジョイントにすることで、ベタがまるで泳いでいるかのように見え、インテリアとしても活用できるなと思いました」と藤田さん。 「サイズがほぼ1分の1サイズなので本物のベタに見せたら、怒ってケンカするかもしれない」と藤田さんが懸念するほど、リアルなベタになっています。
バッグやキーホルダー展開も視野
「ガチャガチャはカプセルを開けたときに宝物が出てきたように感じさせてくれます。そのガチャガチャに携われていることで幸せな人生だと感じます」と藤田さん。 だからこそ、ものづくりをするうえで、買ってくれた人に喜ばれるような商品、カプセルを開けたときのサプライズを届けたいのだと話します。 「絶対にがっかりさせたくはありません。私の人生がガチャガチャで染まってきたので、令和でも私が小さい頃に体験したような喜びを感じてくれる子がいてくれたら嬉しいです」と熱く語ります。 この「奇奇奇シリーズ」は、フィギュアだけでなく、トートバッグやキーホルダーなど色々なものを視野に入れ展開していくようです。 2月には早速、第2弾として、蛇をモチーフにした「蛇輪(へびわ)」が発売中です。蛇好きな藤田さんが指やペン、リップなどに差し込めるよう柔らかい素材で作りました。ラインナップで白蛇や抜け殻もあるため、「縁起がいい」とXでもポストされているようです。 オリジナル商品は、企画した人の思いやこだわりが伝わってきます。今回のベタを見て、藤田さんのものづくりに対する愛情がある商品だと思いました。その愛情は、幼少期のガチャガチャの記憶から生まれていると感じます。取材中に、藤田さんの言葉でガチャガチャに関わって幸せという言葉が何度も出できました。まさに、生粋のガチャガチャ好きな藤田さんは、ガチャガチャに魅了された人生を味わっているなと思いました。 ◇ 「闘魚ーベター」は白、黄、赤、赤青、青黄、黒の全6種類。1回400円。 ◇◆◇◆ この連載は、20年以上業界を取材しトレンドをチェックしているおまつさんが注目するガチャガチャを紹介していきます。 ◇ ガチャガチャ評論家・おまつ(@gashaponmani) ガチャガチャ業界や商品などをSNSで発信中。著書に「ガチャポンのアイディアノートーなんでこれつくったの?ー」(オークラ出版)。テレビやラジオなどのメディアへの出演や素材提供も多数ある。