’22年12月上旬、「横綱会」に参加した芝田山親方（’23年１月20・27日号）

３月27日、日本相撲協会が新人事を発表。 “スイーツ親方”として、たびたびバラエティ番組に登場し、お茶の間人気もある芝田山親方（元横綱大乃国）が相撲教習所の所長に就任した。これをめぐり、さまざまな憶測が飛び交っている。 【貴重】すごい！美女に囲まれご機嫌な元稀勢の里の二所ノ関親方の珍しい姿 「これまで広報部長を３期務めた芝田山親方ですが、今回の新人事では、協会ナンバー２である事業部長就任が有力視されていました。しかし、蓋を開けてみれば、相撲教習所の所長。明らかに出世ラインから外れた“閑職”と言っても過言ではありません。担当記者たちは、何か不祥事でも起こしたのかと、ザワつきました。『報復人事では？』という声も上がるほどです」（スポーツ紙相撲担当記者） 相撲教習所の歴史は古い。大相撲に入門した力士が、相撲の基本を習得させ、相撲部屋での稽古に耐える体力・気力を養うことを目的として、半年間学ぶ施設である。1957年に設立され、設備としては３面の稽古土俵および講義室からなり、両国国技館敷地内にある。 「外国人力士は１年間通います。中卒または高校中退で入門した力士のためのNHK学園高等学校のスクーリング会場でもあります。また、自立就職支援窓口が開設されており、力士引退後のセカンドキャリアを支援する拠点にもなっていて、重要な施設であることは間違いありません。真面目な性格の芝田山親方は適任という声もあります」（相撲協会関係者） では、なぜ、「報復人事」という声まで上がっているのだろうか……。 ４月15日配信の『現代ビジネス』によると、宮城野部屋が所属力士の暴行事件で閉鎖されるなど、相変わらず問題山積の状況に、芝田山親方は、 「側近の意見しか聞かない八角理事長（元横綱北勝海）には、問題だらけのいまの協会を任せられない」 と考えたという。そこで、芝田山親方は１月26日に行われた理事長選挙で『八角下ろし』に動いた。しかし、彼についていこうという理事は少なく、あえなく失敗。逆に、報復人事の憂き目にあったというのだ。その結果、八角理事長は５期目の続投が決まり、事業部長には春日野親方（元関脇栃乃和歌）が就任している。 「反宮城野親方（元横綱白鵬）の急先鋒といわれる春日野親方を据えることで、宮城野親方を抑え込むという意図が見える人事です。しかし、春日野親方といえば、’11年にゴルフクラブなどで弟子を殴打し、警察から事情聴取された過去があります。そんな人物がナンバー２ということに疑問を感じる相撲ファンは多いでしょう」（スポーツ紙記者） 果たしてこれは、本当に“報復人事”なのか。元相撲協会外部委員で漫画家の、やくみつる氏は、 「芝田山親方は、いい意味での石部金吉なんですよ。つまり、非常に真面目で堅物。ご自分の与えられた仕事は実直にこなす方で、信念を貫く性格。曲がったことが大嫌い。言いづらいこともはっきり物言うタイプです。口うるさくはあるけれど、ご自分が出世を目論むとか、政治的発言をされるような方ではありません。むしろ、『相撲道は欺くあらねば』的な理想論を語るような方。八角理事長との関係も悪くはなかったと思いますが……。正直、ピンとこない」 と、首をひねる。そして、相撲教習所長に就任したことについては、 「芝田山親方は、かなり膝の状態が悪化していますから、歩行も困難な状態です。事業部長として動き回るのはきつい。元々、出世欲のない方だし、定年まであと４年ということを考えると、私は順当な人事だと思います」 と語った。ただ、中にはこんな意見も……。 「芝田山親方は、“スイーツ親方”としてお茶の間人気もあって広報部長を長年務めていましたが、健康問題が懸念されていたことは事実です。性格的には真面目ではあるけれど、いわゆる気分屋でもありました。仲の良い番記者には良い顔をするけれど、そうじゃない記者には冷たい部分もあった。酒は付き合い程度しか飲みませんが、そんな酒席でちょっと調子に乗るところもあったりして、そういった部分でも人望がなかったのかもしれません」（前出・協会関係者） 力士の暴行事件による宮城野部屋閉鎖に始まった今年の大相撲。上層部も、磐石というには程遠いようだ。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム：https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X：https://twitter.com/FRIDAY_twit