空き店舗をギャラリーに 昴学園生徒、クラファンで支援募る 三重・大台
来年1月に卒業制作展 後は地域交流の場に活用
三重県多気郡大台町茂原の県立昴学園高校の美術工芸系列3年の6人と、同校で昴学園魅力化コーディネーターを努める山田能健さん(53)=同町大井=が、町内の空き店舗をリノベーションしてギャラリーを造り、そこで来年1月に卒業制作展「美術工芸系列展」を開催しようとクラウドファンディングを開始した。展示の後も、同校生徒たちのイベントや、地域の人との交流の場にしたいとしており、多くの人の支援を呼び掛けている。目標額は210万円で、クラファンの期限は11月10日午後11時まで。
目標額は210万円 地域創生の一環
この取り組みは、空き店舗をリノベーションして地域とのつながりを生み出すプロジェクト「Meets SUBARU」の一環。プロジェクトを進めるに当たり、6人は「PRAYERDES(プレアデス)」というチーム名を発案した。和名・すばるで知られる主に六つの星からなるプレアデス星団に、ギャラリーがずっと残ってほしいという思いを込めた「Prayer(祈り)」を組み合わせた造語で、楽しさや喜びも表現している。 プロジェクトのきっかけは、昨年、2年生だった山中百合花さんが、空き家を活用した移住で人口増加を図るプロジェクトを考案したこと。同プロジェクトは内閣府主催の「地方創生☆政策アイデアコンテスト」の高校生・中学生以下の部で最高賞の地方創生担当大臣賞を受賞した。 これをきっかけに、同校で美術を教える伊藤真央教諭(23)が空き店舗を探し、佐原のJR三瀬谷駅近くにある物件を見つけた。同校では「美術工芸系列展」を佐原の道の駅奥伊勢おおだいで開いていたが、他に展示する施設もなく、生徒たちの表現の場や地域の人との交流が課題となっていた。 伊藤教諭が地元不動産会社に相談したところ、賃貸で自由にリノベーションしていいと受け入れてくれたという。そこで今年4月から、生徒自らがどんなギャラリーにしたいか授業で話し合うようになり、それを聞いた山田さんが資金を得るためにクラウドファンディングを提案した。 リノベーションにかかる費用はバリアフリー化などの工事に約100万円、電気工事に約35万円などで、目標額は210万円。生徒自らも天井や壁のペンキ塗り、スポットライトの設置などを行う。また、同町で空き家の利活用を手掛ける建築家などによる有志団体「AWAプロジェクト」も協力する予定。