トヨタ「GRスープラ」のファイナルエディションは世界300台限定…1000万円オーバーでも争奪必至の「A90 Final Edition」とは?
3リッター直6モデルはさらに走りに磨きをかけた
今回の一部改良でスープラの3Lモデルは、市街地からワインディング、サーキットまで存分に楽しめるよう「さらなる一体感のある走り」を追求。安心・安全のためのブレーキ性能の向上をはじめ、ボディ、サスペンション、シャシー剛性の向上およびチューニングの最適化、空力性能の改善を施している。 一部改良のポイントとして、まずシャシーは、リア床下ブレース構造を強化することにより、ボディ剛性を高めて、ダイレクト感やグリップ感、コントロール性を向上させている。さらにEPS(電動パワーステアリング)の制御を最適化し、ダイレクト感のあるステアリングフィールを実現した。 サスペンションは、状況に応じて減衰力を調整する電子制御ダンパーの特性を見直しつつ、フロントスタビライザーを強化することで走行性能を向上させている。また前後スタビライザーブラケットにアルミ強化品を採用。またフロントコントロールアームに強化ゴムブッシュを、リアサブフレームに強化ゴムマウントを採用することでサスペンションとボディの一体感を高め、正確なハンドリングに貢献している。 ドライブトレインは、シャシーセッティングの変更にともない、アクティブディファレンシャルの制御を最適化。旋回中のアンダーステアを抑制し、ハンドリングを改善している。またブレーキはフロントに大径化したブレンボ製ディスクブレーキを採用し、制動性能を向上させている。 外観では、マットブラックのアルミホイールをはじめ、ダックテールタイプのカーボンリアスポイラーを採用。インテリアではドライバーシートにGRロゴ刺繍を施したアルカンターラ+本革表皮を使用。シートベルトに赤色を採用し、スポーティさを強調している。
1000万円超え必至の究極の特別仕様車
続いては、特別仕様車スープラ “A90 Final Edition”。あまりにもポイントが多いので絞って紹介する。サスペンションは、GRスープラ GT4が採用しているKW製サスペンションを採用。伸び側16段、縮み側12段の減衰力調整を備えてさまざまな使用状況に対応し、前後スタビライザーを強化することで限界性能を向上させている。 エンジンは吸気経路の見直しや低背圧触媒を採用することで、圧力損失を低減。同時にエンジン制御を最適化することで、最高出力は435ps、最大トルクを570Nmまで向上させている。エンジン性能の向上にともない冷却性能も向上。ラジエター冷却ファンを強化するとともに、サブラジエターを追加している。 タイヤには10mm拡幅したハイグリップタイヤのミシュラン パイロットスポーツ カップ2を採用。フロント19インチ、リア20インチの軽量ホイールの中には、前後にフローティング構造のドリルドディスクを収めている。さらに、フロントにはブレンボ社製19インチブレーキと高μブレーキパッドを採用し、高出力化に合わせて制動性能も強化されている。 外観は、カーボン製のフロントスポイラー、フロントカナードを採用。さらにGRスープラ GT4を彷彿させるスワンネック構造のカーボンリアウイングを装備することで、前後の空力バランス、ダウンフォース、ドラッグを最適化し、接地性とハンドリング性能を向上させている。 インテリアでは、シートパッドにアルカンターラ素材を使用したレカロ製カーボンフルバケットシート「RECARO Podium CF」を採用。走行性能の向上によりドライバーにかかるGが増加する状況においても、しっかりと体をホールドし、正確なドライビングをサポートしてくれる。 この他にもさまざまなチューニングやアイテムの追加がされている特別仕様車スープラ “A90 Final Edition”。価格もそれなりに高くなりそうだが、最終モデルということもあり争奪戦になることは必至だ。 また、このアナウンスによりGRスープラの中古車相場もビビッドに反応しそうだ。とくにMT車は一気に価格が高騰する可能性もあるので、注視したい。
萩原文博(HAGIHARA Fumihiro)
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