藤井聡太竜王が4連覇、佐々木勇気八段を退ける…七冠堅持「後手番で苦戦する将棋が多かった」
将棋の最高位を争う第37期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス)、藤井聡太竜王(22)(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖)と佐々木勇気八段(30)の第6局が11、12の両日、鹿児島県指宿市の「指宿白水館」で行われた。勝負は12日午後、106手で後手の藤井竜王が勝ってシリーズ4勝2敗とし、竜王4連覇を達成した。
終局後のインタビューで藤井竜王は「1日目に攻め込まれる展開で、少し苦しいと感じていた。最後(106手目)に△1六角と打って、自玉に寄せがなければ(勝ちだ)と思った」と本局を振り返った。シリーズ全般については「後手番で苦戦する将棋が多く、佐々木八段の工夫に対して、対応力を磨かなければいけないと思った。課題が残るところはあったが、何とか防衛できてよかった」と4連覇達成の喜びを語った。
一方、敗れた佐々木八段は「端角(71手目の▲9五角)に期待したが、攻めが単調になってしまった。2日目はうまく指された」と語った。佐々木八段にとって、今回の七番勝負は初のタイトル挑戦だったが「色々な作戦に挑戦したシリーズで普段あまり指さない形をぶつけた。日程面で準備が大変なところもあったが、その分やりがいはあった」とシリーズを振り返った。