おごらず、愛をもって。齋藤飛鳥、25歳の現在地。
── 11年8ヶ月のグループ活動が一区切りついた後、少しはゆっくりできましたか。次のステップのことをどう考えていましたか。
はい、ゆっくり過ごせました。私の中でグループの存在はとても大きかったので、そこから抜けて立ち止まってもう一度考えてみてもグループにいてよかったなとか、あのグループでこれだけのことがやれてよかったなという気持ちしかありません。今後、個人として何か大当たりしようなんて気持ちは正直なところなくて......。ただ、いただけるものがあるなら細々とやりながら、自分の人生と周りの人の人生が充実すればそれでいい。仕事一本にもならず、こだわりすぎず、少し気楽に生きていけたらいいなと思いながら、今後のことは考えていました。
──とはいえ、個人活動をスタートしてからも、ドラマや映画など話題作への出演が続いています。芝居や表現をする仕事に関してはどう向き合っていますか。
いまは一人でやることはないのですが歌もダンスも、そしてお芝居も、私はどれも得意なわけではない。お芝居だって私がこの役を絶対やらなければというものもないと思っているので、フラットに捉えるようにしています。ただ、携わらせていただく作品は、私自身が何かに共感したり、こういうことを世の中に伝えたいんだというメッセージに感銘を受けたりするものが多いので、私が何かを表現したいというよりは、もっと大きな、それを作る監督やチームが世の中に表現したいものを少しだけお手伝いしたいという気持ちです。
──これから年齢を重ねていく中で、どんなことを大切にしたいですか。
私はまだできていないのですが、自分よりもまわりの人を大事にすることを早くできるようになりたいと思っています。きれいごとに聞こえるかもしれないのですが、自分を犠牲にしても誰かのために行動できる人に憧れます。そのために、人生の経験値を上げていきたいですね。
──最後に、齋藤さんにとって美しさとは何でしょうか。
しいていうなら「美しい」はささやかであること。私は、自分よりまわりの人を幸せにできる人に憧れているけれど、それは大金を配るとか、何か大きいプレゼントあげるとかそういうことではない。日常のささいなことで笑ってくれたり喜んでくれたり、欲張らず、ささやかなものやことに幸せを感じられることが美しいのかなと思います。
Profile
齋藤飛鳥/Asuka Saito 1998年8月10日生まれ、東京都出身。乃木坂46の1期生としてデビューし、2023年5月に卒業コンサートを行う。『映画 マイホームヒーロー』の公開が3月8日に控えている。2024年冬始動のAmazonと東映の共同プロジェクト【推しの子】では、伝説のアイドル、星野アイ役で出演決定。@asuka.3110.official 「フィガロジャポン」4月号では、齋藤飛鳥がオールインワンをモードに纏う。WEBオリジナルのファッションストーリーをチェックして!
text: madame FIGARO japon