マジでヤバい奴ら(化け物)を見えないフリで凌ぎ切る!? 新感覚ホラーギャグ漫画『見える子ちゃん』【書評】
ハナには言えないがなんとかしなければと頑張るみこ。そしてそんなことには気づかないハナ。ふたりのやりとりに読者もハラハラドキドキしてしまうのだ。 『見える子ちゃん』にはハナ以外にも、ちょっとだけ見える子の同級生のユリア、霊能者である下町のゴットマザー、怪しげな霊能アイテムを扱う青年神童ロムなどさまざまなキャラクターが登場する。みこはそんなキャラクターたちから助力を得たり、振り回されたりしながらも化け物たちをシカトし見えないフリで凌ぎ切るのだ。 そしてそんな日々の中で普通じゃない転校生、一条みちる(いちじょうみちる)が現れる。みちるの姿はみこの目からは異形の姿に見えるのだ。みちるの正体とは? 異形に見える理由とはなんなのだろうか?
いよいよ10巻では異形の姿に見える転校生の謎が明らかになる。そして判明する新たな危機とは? その答えについてはコミックを読んで皆さんの目で確かめて欲しい。見える子のみこはどうなってしまうのかこれからも目が離せない。 『見える子ちゃん』は無力な女子高生が霊を見えないフリで凌ぎ切るという斬新な設定の新感覚のホラーギャグ漫画だが、それだけではない。物語の根底にあるメッセージに心揺さぶられる。人も化け物も見た目だけでは判断できないということを伝えているように思えるのだ。作品を通して感じられる、この“温かみ”が、愛され、読まれ続けている所以なのかもしれない。
文=ネゴト/ カリス魔王TK