92歳女性が「葬式はしない」と決めた納得すぎる訳 お墓問題は「体力気力があるうちに決着つける」
私の父は浄土真宗のお寺の三男坊でしたが、跡継ぎではなかったので、好きな学問に没頭していました。私も信仰心などこれっぽっちもないのですが、門前の小僧的な真似事で、親鸞聖人が著した「正信偈(しょうしんげ)」なら読むことができます。 無宗教でも、お経くらいは読んでもらったほうが落ち着く、と思うのならお坊さんに来てもらってもいいし、お経を読める人に頼んでもいいと思います。 私の連れ合いは60代の最後に亡くなりましたが、無宗教でした。しかし、学問の仲間が大勢いてお寺で葬儀をしたので、お坊さんの読経とともに盛大に見送りました。仏教寄りの無宗教ですね。
結局、葬儀は故人の年齢や、亡くなった際の立場にもよるし、経済的な事情もあるでしょうから、それらを鑑みて、その人、その家庭にふさわしい方法を選ぶのがよさそうです。 仏教が敬遠される理由の1つに、死後に何度も行う法事や、お寺とのつき合いにお金がかかることがあげられます。私の連れ合いに関しては、一周忌だけしかしませんでした。毎年、命日にお墓参りに行くのでいいのではないか、と考えています。 一方で葬儀や法事のよさも感じています。
何かのご縁でつながった親族が集まり、お墓参りをする風景は、ほのぼのとした温かみを感じます。法事にしても、普段は疎遠にしている親戚一同、子どもの頃に一緒に遊んだいとこ同士が再会する場でもあります。 みんなで昔話に花を咲かせたり、故人とのかかわりを振り返る貴重なひとときになります。お金がかかり過ぎない程度に、いまを生きている人の心が安らぐ葬儀や法事を行うことは、それなりの意味があると思います。 参考までにどのような葬儀を行っているのかのデータを探してみました。
2020年までは一般葬が主流でしたが、その後、コロナ禍の影響もあり、家族葬や直葬・火葬式が増えました。2022年3月~2023年3月までの調査でも、半数は家族葬を選んでいます[注1]。 注1:株式会社鎌倉新書 いい葬儀「第6回お葬式に関する全国調査」2024 ■お墓の承継が難しい時代に入った お墓にはややこしい決まりがあることを知ったのは、最初の連れ合いが亡くなり、私の実家のお墓に納骨しようとしたときのこと。