長野駅前再開発 52億円の公金投入を検討 高層部にマンション、低層部に商業施設 「映画館を残すべき」70年以上の歴史の「千石劇場」が存続訴え
長野駅前の大規模再開発計画の区域内にある老舗の映画館「長野千石劇場」が存続を求めて長野市に陳情書を提出した。支配人の大沢修治さんは、「駅前に映画館は必要」として、新しい建物に映画館を残してほしいと訴えている。この再開発計画には52億円の公金投入が検討されており、市の対応が注目される。 【画像】整備イメージ 高層部にマンション 低層部に商業施設
「映画館を残すべき」
長野千石劇場の大沢支配人は19日、荻原健司市長に陳情書を手渡し、「映画文化を支える映画館を無くすのではなく、映画館を含む新たな施設が長野市の新たな文化の発信場所になるようにご尽力いただきたい」と訴えた。 再開発計画では、JR長野駅善光寺口の末広町交差点近くで、高層部にマンション、低層部に商業施設などが整備される予定だ。 1950(昭和25)年に開業した千石劇場は、レトロな雰囲気が残り、今も多くの映画ファンに親しまれている。
3710筆の署名を集めて存続訴え
大沢支配人は建物の老朽化に伴い、地権者に建て替えを要望してきたが、再開発計画を理由に回答は「保留」されてきたという。 その後、準備組合から「現時点では映画館は考えていない」と言われたことで危機感を感じ、2024年3月から署名活動を開始。12月19日までに3710筆を集め、荻原市長に提出した。
市長「意見交換の場を」
荻原市長は「テナントについて、われわれがどこまで踏み込めるか、難しい側面はあるが、地権者の皆さんと(現在の)テナントの方々との意見交換の場を持っていただきたいということは、(組合側に)しっかり指導していきたい」と述べた。 大沢支配人は「(駅前に映画館がある)長野らしさというか、残していくべき部分は残していくことが大事。きちんと意思疎通というか、連携が取れるよう行政を交えて取り組んでいただきたい」と話している。 一方、準備組合はNBSの取材に対し「要望の詳細を把握していないが、開発区域内の事業者には誠実に対応したい」としている。 (長野放送)
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