「千鳥の漫才はジャズ」超多忙な千鳥が舞台にこだわり続ける理由
台本ナシの“ジャズ漫才”
しつこさと並ぶ千鳥の漫才のもう1つの特徴が「自由さ」である。2人のネタに台本はなく、同じネタをやっていても細かいセリフはどんどん変わっていく。大悟が予定にない突拍子もないことを言い出して、ノブが慌ててツッコむこともある。 「大悟がいきなり『ウンコします』とか、小学生でも言わないようなボケを言い出すことがあるんですよ。それはもう笑っちゃいますよね」(ノブ) 「2人で何回もやっていたら同じところでは笑わんようになるじゃないですか。でも、どうせやってるなら、お客さんには申し訳ないけど、こっちも笑うてた方が楽しいと思うから。本当に若手の子とかには真似してほしくないというか、良くないと思うんですけどね」(大悟)
大悟がアドリブで相方を追い込むと、ノブが笑い、観客も笑う。だが、そこからノブに「それはどういうことやねん」と切り返されると、今度は大悟の方が窮地に陥ることになる。 「結局、自分が困ってる。笑うてるけど困ってる(笑)」(大悟) 「そこで何かがひねり出されたら、次からはそれを毎回言うようになったりすることもあります。だから、千鳥の漫才はジャズです」(ノブ) クセがすごいジャズ漫才師の千鳥は、テレビでお笑い番組ができるようになった今でも、漫才は自分たちの原点であると考えている。11月20日には2年ぶりの単独ライブとなる「千鳥が1時間新ネタだけをするLIVE」が行われる。新ネタを作るのは彼らにとって久しぶりのことだという。 「ネタ作りはめちゃくちゃ大変で、若手のとき、ようこんなん毎週やってたなっていうくらいなんですけど、やっぱり漫才は楽しいんですよ。一番大変なだけあってウケたときには一番楽しいんで、それを求めてまたやることになるんでしょうね」(ノブ) 「テレビでは前もって考えて何かをしゃべることってもうほとんどないんですけど、漫才はこっちで『面白いものを作りましたよ』って用意して、お客さんの前でやるから、一番スベれないものでもあるし、いまだに緊張できる仕事なんですよね」(大悟)