10月から上がった最低賃金 街の皆さんの“実感”は?「時給上がるのは素晴らしいが、経営側からは少し恐れることが…」
「103万円の壁」とは、学生や主婦など親や配偶者の扶養に入りながら働く人にとって、所得税の支払いが生じるボーダーラインのこと。 さらに年収130万円を超えると扶養から外れます。 このため、手取り額が減らないように労働時間を抑える人が出てきて、結局働き手が減るという心配が…。 (焼肉 福 吉岡悠馬 店長) 「スタッフのモチベーションを考えても(最低賃金が)上がることはいいこと。その分、接客レベルも上がっているが(経営的には)少し苦しい」 ■円安による輸入牛肉の高騰も… 円安による食材費の高騰も追い打ちをかけていて、店では10月から一部のメニューで値上げせざるを得ませんでした。 (焼肉 福 吉岡悠馬 店長:10月4日取材) 「仕入れ値が約8%~10%上がっている。徐々に上がり続けている。特に輸入のタンやハラミ」 「厚切りタン」は200円値上げして1780円に「ハラミ」は100円の値上げで1480円に。 メニューの3割ほどが約10%の値上げとなりました。 アメリカ産をはじめとした輸入牛肉の原価は、4年前から平均で1.7倍にまで上昇しているとのこと。 (焼肉 福 吉岡悠馬 店長) 「このまま苦しい状況が続くようだったら(さらなる)メニューの値上げも検討している」 ■急速な賃上げで「立ち行かなくなる店」も!? 1500万人にのぼるとみられる国内のパートやアルバイト。 小売りや飲食店は最低賃金ギリギリで働く労働者が多く、急速な賃上げで平均的なスーパーは赤字になると警鐘をならす専門家も…。 (UBS証券 風早隆弘シニアアナリスト) 「低い賃金の方を大量に雇って、店舗を運営することによって存在していた店は立ち行かなくなる」 名古屋市内のスーパーで聞くと… (サンエース春岡店 宮下裕基さん) 「もちろん皆さんの時給が上がることは素晴らしいことですが、会社の経営側からすると、少し恐れることがあるというのが本音。賃上げもそうですがインフレやデフレ脱却など、物価が高くなっても対応できる世の中をつくることを政府には並行してやってほしい」 最低賃金引き上げで広がる波紋。 この衆院選を経て、明るい兆しは見えてくるのでしょうか?
CBCテレビ