祖父母も働く時代の「孫育て」 世代間ギャップや負担感も 100歳時代の歩き方
子育てに関する考え方の違いも祖父母世代を悩ませる。
加藤さんによると、以前は「頭の形が良くなる」などとされていたうつぶせ寝は、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率が高いことから、近年はあおむけに寝かせることが推奨されているという。昔は日常的に見られたおんぶは、「子供の様子が見られない」ことや見た目などから、今は抱っこが主流だ。
ただ、おんぶがよい場面もある。加藤さんは、育児のやり方にはそれぞれメリット、デメリットがあるとした上で、「情報があふれている時代だからこそ、誰もがストレスにならない方法を見つけてほしい」と話す。冒頭の孫育て講座の参加者からも「抱っこの仕方などを知り、参考になった」との声が上がった。
祖父母世代や父母世代のライフスタイル、そして子育ての考えも変わってきている中での孫育て。柴崎さんは「祖父母がどこまで協力し合えるのか。育児の方針や子育て観を含めて、祖父母と父母がしっかり話し合うことが重要だ」とアドバイスしている。
■NPO法人孫育て・ニッポンの棒田明子理事長の話
孫育ての良い点は、子育て経験者が参加することだ。世代間で子育てのやり方や考えが異なると、面倒なこともあるが、いろいろな考えを聞く機会にもなる。祖父母も父母も、子供の健やかな成長への思いは一緒のはずだ。良い点があれば、相互で取り入れてほしい。
高齢になると、今後の生活に体力的、経済的に不安を抱えがちだ。孫育てで重要なことは、祖父母の生活はしっかり守ること。例えば経済的な面で言うと、初孫への金銭的支援で無理をすると、下の孫たちに同じようにすることが難しくなる。祖父母の生活に影響が出ないよう、家族で話し合い、〝無理のない〟孫育てをすることが重要だ。(本江希望)