ウィーカーズ、10月から従業員採用を再開 ディーラーや同業他社からの応募多数
旧ビッグモーターから中古車事業を引き継いだWECARS(ウィーカーズ、田中慎二郎社長、東京都千代田区)は、10月から従業員採用を再開したことを明らかにした。770人いる整備士を890人に増やす計画。営業やコールセンターも増員する。新車ディーラーや同業他社などからの応募も多いという。伊藤忠商事グループになったことが雇用面でプラスに影響しているようだ。 旧ビッグモーターの不祥事が2023年7月に表面化し、採用は事実上止まっていた。24年5月1日のウィーカーズ発足時で約4200人を引き継ぎ、直近は3900人となっていた。社内体制整備のめどがついたことから採用を再開した。新卒採用も26年4月入社から再開する。 給与を含めた新しい人事制度も25年1月から導入する。これまでは最低限の「固定給」以外は販売成績に応じた給与体系だったが、役職や年次に応じた「基本給」を設け、法令順守などについての上長などの評価も加える。店舗などの状況も反映する。営業職では極端なインセンティブ(成績報酬)があったが、常識的なものにして残す。 旧ビッグモーター時代は整備・板金塗装部門でも粗利をベースにしたインセンティブがあったが、これは廃止する。整備などの資格に応じた「スキル給」も設けた。「(極端な成果主義など)余計な心配をしなくていい心理的な安定性を保てる仕組みにした」(幹部)という。 最近の業績は、単年度黒字を達成できる同社の目標値に対し、買い取りで7割、販売で5割程度まで回復しているという。11月8日時点で、約250店舗中、87の店舗で看板の架け替えが終わり、年内には全店が終了する見込み。看板を掛け替えた店は販売額が1割程度増えているという。テレビCMの再開も検討している。 また、顧客を最優先にするために「WECARS4つの約束」というものを設けた。「顧客に信頼いただける会社になるため」「安心と安全のため」「透明性と納得感のため」「サービス品質向上のため」というもの。 (編集委員・小山田 研慈) (2024/11/8更新)