自動車大手、EUのCO2排出規制強化で排出権プール
[ミラノ 7日 ロイター] - 欧州連合(EU)による2025年の二酸化炭素(CO2)排出規制の強化を受け、大手自動車メーカーが、電気自動車(EV)メーカーの米テスラやスウェーデンのポールスターなどからの排出権購入を計画していることが7日、EUへの提出書類で分かった。規制を守れず、多額の罰金を支払う事態を回避するのが狙い。 EVの販売台数が少ないメーカーは、EVの販売台数が多いメーカーとともにCO2排出量を「プール」し、他社から排出権を購入することで全体の平均値を下げることができる。これにより、罰金を払う場合よりも数億ユーロ節約できる可能性がある。 提出書類によると、欧州ステランティス、米フォード・モーター、日本のトヨタ自動車とマツダ、SUBARU(スバル)は25年の排ガス規制を順守するため、テスラとともに排出量をプールすることを計画している。 ドイツのメルセデス・ベンツ、スマート、ポールスター、中国の吉利汽車傘下となっているスウェーデンのボルボ・カーズが別のプールを形成していることも明らかになった。 テスラやポールスターのようにEVだけを販売するメーカーは、余った排出権を同じプールの他社に売ることができる。 テスラの24年1─9月の売上高約720億ドルのうち約3%は排出権収入だった。 ポールスターの広報担当者はロイターに対し、ポールスターとボルボ、スマートは余剰の排出権をメルセデスに売却すると説明した。 ボルボは25年にCO2の「大幅な」余剰を見込んでおり、25年のEUの排出量目標を達成する見通しだと表明。同社の24年1─9月の排出権収入は売上高全体のうち約0.3%だった。 一方、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の広報担当者は7日、25年のEUの排出量目標を達成することが「とりわけ困難」だと受け止めているとし、プールへの参加を含めた他の対応策を検討するとした。 自動車メーカーは毎年12月31日までにプールの協定をEUに届け出なければならない。