大阪の一部で作られていた「難波葱」生産者ら復活ののろし
大阪の一部で作られていた「難波葱」生産者ら復活ののろし 撮影:岡村雅之 THEPAGE大阪
「難波葱(なんばねぎ)」の復活をアピールするため、大阪府内の生産農家らがこのほど、大阪市中央区の南海難波駅周辺で買い物客らに難波ネギを無料配布した。生産者自らが「難波葱復活、オー!」と、まるで復活ののろしをあげるように大きな声をあげながら配布する姿に、ネギを手にした人たちは「鍋で使う」「お好み焼きに入れてみます」と喜んで持ち帰っていた。 50周年の南海そば 名物「はしタワー」が生まれた理由は?
現在のなんば周辺で栽培されていた特産ネギ
大阪府によると、難波葱は、今回の配布場所となった「なんば駅」周辺で江戸時代から盛んに栽培されていたという。くきの繊維が柔らかく、強いぬめりと香り、濃厚な甘みが持ち味だ。 近年、栽培は途絶えたと考えられてきたが、大阪市内の一部農家に受け継がれていたことが判明。昨年、田辺大根や天王寺蕪に続く18品目の「なにわの伝統野菜」に認証された。 配布会には生産農家や飲食店関係者らが参加。府広報担当副知事のゆるキャラ「もずやん」も登場し、PRに努めた。 配布開始前から行列ができ、用意された500袋は、またたく間になくなった。ネギ帽子をデザインしたスタッフお揃いのかぶりものがかわいいからか、外国人観光客らが楽しげにスマホのシャッターを切っていた。
「カップ麺もびっくりするほどうまくなる」
無料配布に参加した生産農家のひとりは「難波葱は生育が遅く、施肥(せひ)のタイミングがむずかしい。栽培に手間がかかるが、とてもおいしい」と栽培の苦労を振り返る。しかし「難波ネギが1本あれば、カップ麺もびっくりするほどうまくなる。ぜひ試して」と、身近な食材ぶりを強調していた。 珍しい難波ネギを手にした人たちは「今晩は鍋料理で食べる」「お好み焼きが好きな家族のため、お好み焼きに入れようかな」と話していた。 28日まで「難波葱フェスタ」と題し、一部のJAグループ大阪の農産物直売所や大阪市内の百貨店で販売されるほか、府内各地で関連イベントも行われる。詳しくは大阪府の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)