J助っ人が目指す史上4人目の快挙 再来日でトラブル発生も臨機応変に…「大変でした」
東京Vマテウスがハプニングを明かした
2024シーズンのJ1で6位となった東京ヴェルディは、1月7日に2025シーズン始動日を迎え、シーズン最初のトレーニングを行った。クラブで唯一の外国籍選手となったGKマテウスは、東京Vで6シーズン目を迎える。2023シーズンからはクラブの副キャプテンも務めている31歳はオフ明けに再来日した際、あるトラブルに巻き込まれていたという。 【写真】「本当に?」「凄すぎる」元Jリーガーが公開したハーバード大学スクールの卒業証書 2020年に来日し、東京Vの顔の一人となっているマテウスだが、オフを終えてブラジルから日本へ戻ってくる時、トラブルに見舞われた。荷物の一つがロストバゲージとなり行方不明になってしまった。1月7日の始動日の練習を終えたマテウスは荷物が見つかり届けられたことを明かしつつも「パンツがなかったので大変でした」と苦笑いした。 予期せぬトラブルから始まった2025年だが、マテウスは「クラブが、クラブとして成長している過程を自分の目で見えていることが嬉しい」と前置きしてから「2023年、2024年に自分たちがやってきたことを変えずに、同じメンタリティ、同じ考え方でやることが大事。それを忘れてしまうと、また昔のように戻るのは早いと思う。しっかりそこを保ちながら、今シーズンも昨シーズン同様にやっていければいいと思います」と、警戒心も見せた。 それでも昨シーズン16年ぶりとなるJ1で6位という成績を残せたことには、大きな自信を持てたようだ。今季の目標を聞かれると「クラブとしては、失点数がどんどん少なくなるのがGKとしてはベストだと思います。そのなかでタイトルだったり、ACL出場権だったりを獲得することをチームとして目標に掲げたい。個人としてはシーズン終わりにベストイレブンに入ることを目標に掲げたい。自分が良くなり、チームが良くなるという結果が、そこにもつながると思うので、まずはチームのことを考えながらやっていきたいと思います」と、2001年のヴァン・ズワム(当時磐田)、2018年と2020年のGKチョン・ソンリョン(川崎)、2021年のランゲラック(当時名古屋)に続く史上4人目の外国人GKとしてのベストイレブン入りを目標に掲げた。 その目標が決して簡単なことではないことは心している。「去年の始まりは、16年ぶりのJ1ということで、ほかのチームをはじめ、いろんな人が『ヴェルディは降格する』『ヴェルディはビリだ』と予想していたなかで、自分たちが6位で終われました。今年は相手チームも、もちろんヴェルディに対してしっかり分析もしてくると思いますし、試合もいっぱい見て対策も練ってくるでしょう。そういったところで難しさは出てくると思うので、今日からの毎日の練習でレベルアップできるように準備していきたいと思います」と、気を引き締めた。 そんなマテウスが、もう一つ目標に掲げているのが、2022シーズンから続いている全試合出場の継続だ。今季、東京Vは湘南からGK馬渡洋樹を獲得。GK長沢祐弥、GK中村圭佑との4人で正GKのポジションを争うことになるが、自分のコンディションを維持することを重視した。 「この2年でフル出場できているのは、自分の日頃の習慣を変えたことで、ケガが少なくなった成果だと思う。それをしっかり続けながら、今年も一つの目標としてフル出場を掲げたい。試合の中でのケガはシーズンを通してもあり得ますが、ケガをしないためのリスク管理やその準備は怠らないようにやっていければいいと思っています」 今シーズンも、そのリーダーシップに期待がかかるが、キャプテン就任については「日本語がしゃべれないのにキャプテンは務められませんよ。通訳がキャプテンになってしまいますから」と笑って否定したマテウス。J2時代からチームの守備を支える守護神は、シーズンが始まればピッチ内外で起こるトラブルにもうまく対処しながら、上昇気流にあるチームを支えていく。
河合 拓 / Taku Kawai