小池知事の厳しさに「ビビっている」と…候補者への警備を揶揄する言動 都知事選で浮かび上がった問題点
【ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか!】 いよいよ、7日(日曜日)に投票日を迎える東京都知事選。過去最多の56人が立候補したこの選挙は、さまざまな論点を浮き彫りにしました。選挙ポスターをめぐる騒動や、ネット上での論戦、過去の経歴や国籍などに関する批判合戦などなど、1つ1つが国民的議論を経るべき重大な論点だったと思います。 【画像】物議を醸している、共産党が作成した「蓮舫氏のビラ」 そんななか、ネット上では、小池百合子知事の警備の厳しさを見て、「市民を信用していない証拠だ!」「何をビビっているのだ!」という主張を見かけました。そう主張するのは、まさに「言論の自由」ですが、中身に関しては問題だらけです。 昨今、選挙における「言論の自由」が脅かされる事件が相次ぎました。2022年7月の参院選では、奈良市の大和西大寺駅前で、演説中の安倍晋三元首相が銃撃により暗殺されました。翌年4月の衆院補選でも、和歌山市で岸田文雄首相に対する爆弾テロ事件が発生しました。 暴力によって選挙活動を妨害するのは、民主主義を支える「言論の自由」を踏みにじる許しがたい行為です。今年4月の衆院東京15区補選でも選挙妨害事件があり、どうやって候補者や言論の自由を守るのか、どういう警備が適切なのかが議論されました。 候補者としては、有権者と直接対話をして握手をしたい。警備サイドとしては、安全を考えて警備を強化したい。候補者側と警備側の協議などを経て、金属探知機を導入して安全なエリアをつくり、そこで候補者と有権者が接触することを認め、SPの見回りを強化することなどで対応するようになりました。 小池氏の関係先には「硫酸をかけて失明させる」といった脅迫文も届いていました。 こうした経緯を無視して、「小池氏はビビっている」「市民を信用していない」などと揶揄(やゆ)するのは大問題です。いかに選挙とはいえ、「言論の自由」と「安全」をバランスさせたギリギリの判断に対し、あまりに配慮に欠けた発言ではないでしょうか。 もちろん、元参院議員の蓮舫議員の選挙事務所に、「ナイフでめった刺しにする」などと殺害を予告するファクスが届いていたことも、許しがたい行為であることも言い添えておきます。