“おとりの荷物”で逮捕者も…『置き配』普及で盗難や紛失等が年々増加 専門家が推奨する「アピール防犯」とは
通信販売のニーズが増え、配達では「置き配」も進んでいますが、盗難や紛失といった問題も年々増加しています。運送会社各社の対応や、利用状況、被害に遭わないようにする対策や、被害に遭った場合の対応を専門家に聞きました。 【動画で見る】“囮の荷物”で逮捕者も…『置き配』普及で盗難や紛失等が年々増加 専門家推奨の対策「アピール防犯」とは
■「日本郵便」「佐川」「ヤマト」各社の対応は
愛知県尾張旭市で2024年4月、集合住宅の玄関先に置いてあった段ボール箱1個を盗んだとして、無職の女が逮捕されました。
警察によるとこの段ボール箱は、以前「置き配」を盗まれた男性が荷物を装っておいた「おとり」で、中にはスマートフォンから位置情報を追跡できる「スマートタグ」が仕込まれていて、女を特定することができたということです。 日本郵便では、置き配とは「あらかじめ指定した場所に非対面で荷物を届けるサービス」とのHPに記載しています。具体的には、玄関前や宅配ボックス、ガスメーターボックスなどに置き配するケースがあります。 2024年4月19日時点での主な運送会社の置き配の対応については、日本郵便は「指定場所配達に関する依頼書」を郵便局に提出する事で、物置きなどへの置き配を2007年の郵政民営化前から実施しています。2018年ごろからは置き配専用バックを玄関先に取り付ける事でも対応しています。
佐川急便は受け取る側からの要望ではできませんが、発送元が佐川急便と契約しているなどの条件つきで、2020年から「指定場所配送サービス」を実施していて、今後ニーズに対応して、枠拡大など検討を進めていくということです。
ヤマト運輸は2020年から、企業向けの置き配「EAZY(イージー)」を開始しました。2024年6月10日からは、個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」に登録すれば「宅急便」などで「置き配」を利用できるようになるとしています。
■街で聞いた「『置き配』使っていますか?」
実際に「置き配」はどれくらい使われているのか、街の人に聞きました。
女子学生: 「再配達してもらうのも申し訳ないから置き配をしています。ZOZOTOWN(ゾゾタウン)とか、服とか、コスメとか。毎月1回くらい」 社会人の女性: 「日用品とかを頼むときに、いつ届くかというのを忘れちゃうことが多かったので。置き配ボックスに入れて下さいと」 大学4年の男性: 「置き配は(利用)していないです。物を外に放置するのが、自分的にはよくないなと」 高齢の女性: 「誰かが触るとかそういうような心配があるかな」 女性: 「盗難とかされると困るので」 別の女性: 「誰かに取られたら怖いなと思って、(利用)したことないです」 名古屋市の繁華街、栄で30人に聞いたところ、置き配を利用している人は12人、利用していない人が18人と、利用していない人が少し上回る結果になりました。特に女性からは、盗難を心配する声が多い印象でした。