「毎日一杯のワインが健康的」は真実? 最新の研究結果で明らかになったこととは
人類とワインの歴史は6,000年以上。世界各地に独自のワインの製造方法や多種多様なブドウがあり、気候によっても味は変化します。また、歴史を通じてそれぞれの地域でワインには何らかの薬効があるとされ、それは現代にも当てはまります。 その食生活、本当にヘルシー? 食の専門家が「やりがち」な16の習慣をジャッジ 2000年代初めは、毎日一杯のワインを飲むことにはメリットがあるとの研究で溢れていました。人々はワインを飲むことのお墨付きをもらったようでしたが、それは今でも有効なのでしょうか? 実際、毎日のワインにどんなメリットがあるのでしょうか?
毎日ワインを飲むのは健康にいい?
適量のワインを飲むことは、全体的に見れば健康的なライフスタイルの一要素となりうるものの、ワインそれ自体は健康的な食品とは言えません。「毎日グラス1杯のワインを飲むことは心臓にいいと広く謳われました。しかし、こうした主張には注意が必要です」と語るのは科学修士で管理栄養士のミシェル・ローゼンスタインさん。 ワインに含まれるポリフェノールが、体内の重要な機能に貢献することがあるのは確か。「赤ブドウの皮に含まれるレスベラトロルがLDLコレステロールを減らし、血栓を予防する可能性があるとの研究結果が出ました」とローゼンスタインさん。 こうした抗酸化物質が炎症を軽減し、循環器系を保護する可能性はありますが、ワインを飲むのはそのための最良の方法とは言えません。ローゼンスタインさんによると、抗酸化物質の量はワインによって異なり、特に白ワインと赤ワインではその差が大きいそう。また、飲む頃には酸化していて、体内で吸収される量が少なくなっている可能性も高いのだとか。 「今のところ、アルコールを飲むことと心臓の健康を直接結びつける研究結果はありません」と語るのは公衆衛生学修士で管理栄養士のケイリー・プロクターさん。「それに、あらゆる飲酒は-赤ワインや白ワイン、ビール、その他を含め-がんのリスクと結びついていることは、知っておくべきです」 結局のところ、どんなにたくさんの抗酸化物質を摂っても、アルコールによる潜在的な害を取り消すことはできない、ということ。特に飲み過ぎは、肝臓や心臓の疾患からいくつかのタイプのがんに至るまで、健康を害する可能性があります。 「飲むと何が起こるかというと、身体がアルコールをアセトアルデヒドという化学物質に変えるのですが、これは発がん性物質の一種なのです」「アセトアルデヒドはDNAを傷つけ、腫瘍の発生や細胞、肝臓の損傷を引き起こすことがあります」とプロクターさん。