がんに対する正しい理解深める 沖永良部高校で「いのちの授業」
鹿児島県立沖永良部高校(德留健作校長、生徒240人)は24日、知名町の同校体育館で全校生徒を対象に、がんについて理解する「いのちの授業」を行った。がん患者やその家族を支える「がんサポートかごしま」(鹿児島市)理事長の三好綾さんを講師に、がんに関する正しい知識を深め、命の大切さについて学んだ。 三好さんは「がんの種類によって、治療法や症状は違う」とした上で、生徒からの質問内容も踏まえて、自身の闘病経験を語った。「がんと告知された時、どう思ったか」との問いに三好さんは「人は死ぬということをリアルに感じた。やはり死にたくない、生きたいと思った」と振り返った。 「治療中、心の支えとなったのは」との質問には、手術による外見の変化で落ち込んだ時期もあったと明かし、「多様性の一つとし、『堂々とこの経験を話したい』と考えるようになった。私を見るときは『かわいそう』よりも『頑張っている』と理解してもらえたら」と心境の変化を説明した。 後半は、がんを患いながら、三好さんと共に「いのちの授業」の講師を続け、亡くなった男性の残した言葉を紹介。「あなたが今、生きていることはすごいこと。普通に暮らせることが幸せ。忘れがちになるが、時折思い出してほしい。周りにいる人たちが、あなたが『生きる』ことを助けてくれる。そばにいる人を大切にしてほしい」と呼び掛けた。 講話を聞いた3年の生徒は「病室で祖父をみとった経験を思い出した。本当に人は死ぬんだということを感じ、とても悲しかった。自分は命を大事にし、年上の人にはそんな思いをさせたくないと思った」と話した。
奄美の南海日日新聞