【広島好き】不完全燃焼の2年間を糧に、益田武尚が昨オフから取り組む横手投げの完成度上げる
今季10試合登板に終わった益田武尚が、10月31日の紅白戦に登板した。一軍首脳陣の前では、4月30日阪神戦以来のマウンド。紅軍の7番手として8回から2イニングを投げた。8回は清水や練習生のメヒアから2者連続三振を奪うなど3人で切り、9回も1四球を与えながら安打を1本も許さなかった。直球は150キロを超え、変化球にも切れがあった。2回無安打無失点。4日からの秋季キャンプを前に、アピールに成功したように映った。
ただ、益田の表情はさえなかった。投手コーチから「継続してくれればいい」と声をかけられても、確かな手応えはまだ得られていない。シーズンを通して、自身の感覚と周囲の評価がなかなか合致しなかった。
東京ガスからドラフト3位で入団した昨季は8試合の登板にとどまり、オフに右腕を下げるフォームに変えた。新フォームで臨んだ2年目の今季も、不完全燃焼のまま終わった。
開幕一軍を果たし、4月までに前年を上回る10試合に登板し、3ホールドを記録した。だが、登板2試合続けてイニングを投げ切れずに降板するなど、5月1日には二軍降格となった。
6月15日くふうハヤテ戦で1失点した後は無失点投球を続けた。6試合連続無失点に抑えるなど、7月から8月までの2カ月は防御率0.00。益田自身、リリースの瞬間までしっかりと押し込めている感覚もあった。だが、8月中旬、二軍に同行しない“三軍”での調整を命じられた。
「正直、真っすぐの感覚は悪くなかった。変化球が荒れることはあったけど、感覚としてはそこまで悪くなかった」
三軍となるまで16試合、14回2/3で8四死球の制球面が理由だと受け入れるしかなかった。8月中旬から約1か月続く三軍生活。連日のようにブルペン入りした。指示されたわけではない。不甲斐ない自分への怒りにも似た感情や現状を打ち破らなければいけない焦りなどさまざまな感情をぶつけるように右腕を振り続けた。
課題とされた制球力を上げるため、2段モーションを止めた。体格が似ている先輩の野村にも助言を求め、下半身主導のフォームの安定性を高めて行った。