田原総一朗、『朝まで生テレビ！』BS朝日でゴールデンに 批判は事前に本人へ「歴代総理大臣に言ってます」
ジャーナリスト田原総一朗（90）が各界の論客を招いて徹底討論する『朝まで生テレビ！』が放送開始38年目に突入し、テレビ朝日からBS朝日にフィールドを移し、11月3日にスタートする。放送時間がゴールデンタイムになり、毎月最終日曜午後7時から8時54分まで生放送となる（初回は衆院選もあり、11月3日に）。 【写真】ビシッと指差しポーズを笑顔で披露する田原総一朗 1987年スタートの『朝まで生テレビ！』は、これまで内閣や安全保障、憲法といった“国内政治”から、アメリカ、中国、北朝鮮などの“国際情勢”、“宗教”、“IT”、“少年犯罪”など多岐にわたるテーマについて、時代のキーマンとともに幅広い熱い議論を展開してきた。放送回数は446回（6月28日放送分まで）を数える。 放送開始から司会を務めてきた田原が90歳を迎えた節目の年である2024年に地上波の深夜帯から、BSのゴールデンタイムに移る。より幅広い世代が、ゆっくり見ることができる環境で、白熱の議論を繰り広げる。「今度から『朝まで生テレビ』が深夜放送だっただけど、BSで夕方の7時から。最近、団塊の世代の方から『昔は朝生を見ていたけど最近は年取ったので深夜は見れなくなった。日曜日の夕方になるのは、ありがたい』と言われる」と反響を明かした。スタートした1987年ごろの深夜放送は再放送が中心だった。そこでフジテレビ系『オールナイトフジ』が大ヒット。テレビ朝日も深夜放送の番組の製作を踏み切ったそう。「深夜番組は3つの難問があった。1つ目は、制作費が安いから有名タレントが出せない。2つ目は、深夜途中で終わるとハイヤーで送らなきゃいけないから金が掛かるので終電車以前に来て始発以後に帰る長時間番組。3つ目は深夜に見てくれるように相当、刺激が強くないといけない。こういうことで『朝まで生テレビ！』がスタートした。編成局長が『他局が作れないような刺激の強い番組』と言われた」と懐かしんだ。 刺激を強くするために「対立する両者を呼んだ。本気のケンカをさせる。それを、もう少し若い世代の有識者に判断させる」と番組のスタイルの成り立ちを懐かしむ。大事なのは議論。「正義とか悪とかは、あまり信用していない。正義を疑ったり、悪を疑ったり」とする。誠司の問題も「デモクラシーの世界は正義も悪もはっきりしていない方がある。自民党があれば、共産党もあれば、立憲もある。『朝まで生テレビ！』は、いろんな価値観のある人が出て論争をする。そういう番組でやっているつもりです」とポリシー。そんな番組だけに「批判もずいぶん受けました。プロデューサーたちに批判も炎上も歓迎であると言っています」ときっぱり。「37年間、続けてきたけど、高齢者だから深夜は気の毒と思ってBSの日曜午後7時に変わりました。中身を変えるつもりはまったくない。深夜で見られなかった人に見てほしい」とスタイルの不変を誓った。 ここまで『朝まで生テレビ！』を続けられた秘訣も。「『朝まで生テレビ！』は仕事じゃないんですよ。最大の趣味なんです。趣味が仕事になってる。だから楽しくてしょうがない。ストレスも全くない。ゴルフや麻雀が趣味の人は疲れないでしょ？だから僕も疲れないんですよ」と豪快に笑う。以前から『朝まで生テレビ！』の放送終了と同時に死ぬことを散り際として望んでいた。「今もそう思ってますよ」とサラッと言い「プロデューサーは困るから終わって『お疲れ様でした』と言ってから死んでくれ、と（笑）」とジョーク交じりに語っていた。 今のテレビ会への思いも。「今は気を使い過ぎて面白いことをやっていない。面白いことをやっても下手をしたら降ろされたりするんじゃないか、と。ちょっと前に政府批判をした人がずいぶん降ろされましたよね」と述懐。「僕が、なんで降ろされていないかと言うと、総理大臣や官庁を批判する時は必ず本人に始まる前に『きょう、こういうふうに言うから』と。だいたい総理大臣は『ありがとうございます』と」と明かす。過去に誰に話を通してから批判したのか問われると「歴代総理大臣の全員に言ってます。石破（茂）さんにもしょっちゅう電話してます。安倍（晋三）さんにも。『場合によっては出て』とも」とらしいエピソードを披露。「だいたい総理大臣をやる人はユーモアがありますよね。自民党の議員が『この人ならいい』と思うから総理大臣になる。非常にみんな素直で聞く耳を持ってます」と明かした。 さらに「自民党は自民党で頑張ってほしい。共産党は共産党で頑張ってほしい。各党で頑張ってほしい。自民党を潰したい、共産党を潰したいとは思わない。頑張るためには今の自民党は大きく変えてほしい。日本を潰す気は全くない。よい国にしたい。そのためにガンガン変える必要がある」と熱い思いも。「僕は数年で死にます。若い人に頑張ってほしい。変えなきゃいけないところがいっぱいあるから」としながらも、司会者として最高齢のギネス記録（韓国のソン・ヘさんが持つ95歳）への野望を問われると「やりたいと思います。日本で、僕より年上で頑張っているのが女性だと黒柳徹子さん、男性だと五木寛之さん。100歳まで行けるかわからないけど五木寛之さんより頑張りたい」と話していた。
