F1はシカゴへ? アメリカで年間4開催の可能性が浮上……しかし課題も多く
F1はアメリカでの人気が拡大しており、2023年からはラスベガスGPもスタート。オースティンでのアメリカGP、マイアミでのマイアミGPと合わせて、アメリカ国内で実に年間3回のF1が行なわれている。 【ギャラリー】F1史上最も醜い、2014年のF1マシン全車 そんな中、アメリカでのグランプリが年間4回になるという可能性が出てきた。今年の1月19日、F1はアメリカ国内で”シカゴGP”やそれに近い複数のバリエーションを商標登録したことが明らかになったのだ。 これは将来シカゴでのGPが実現した場合に向けた予防策である可能性があるが、一方で実際に計画が動き出している可能性もある。 シカゴでは2023年から、NASCARのカップシリーズのレースが公道コースを舞台に行なわれることになっている。F1もこれに続き、シカゴでの開催を目指すことになるだろうか? シカゴ市議会のブライアン・ホプキンス議員はシカゴ・サンタイムズ紙に対し、既に議論がスタートしていた可能性があることを示唆した。 「F1では通常、少なくとも10年の契約を結ぶことが必要であると聞いた」 そうホプキンス議員は語る。 「それは交渉の余地のないもののようだ。そのため、議論はそれ以上には進まなかったんだ」 なお公道でF1を開催するとなれば、地元住民に大きな影響が及ぶ。それを押してでもF1を開催するかどうかは、どのくらいの経済効果が見込まれるのかというところが大きいが、評議会のブレンダン・ライリー氏によれば、もしF1を開催するのならば、NASCARのレース開催を諦めなければいけないという。 「どちらか一方になるはずだ」 そうライリー氏は言う。なおシカゴでのNASCAR開催契約は3年であるという。 ただシカゴでF1もやるということになった場合には、まったく同じコースを使うのは難しいだろう。現在NASCAR用に準備されているサーキットの全長は、1周3.5kmあまり。モナコGPの舞台であるモンテカルロ市街地コースよりも、ほんのわずかに長いだけなのだ。 前述のホプキンス議員は、このこともシカゴでのF1開催についての大きな課題だとしている。 「我々がNASCARを開催するためにやったことは、マンホールの蓋などを滑らかにしたことだ。それによって、ようやくサーキットと呼ぶことができた」 「しかしそれはF1では機能しない。より複雑なので、巨額の費用がかかるのだ」
Laurens Stade