「巨大なのに小物感満載…」『ジャンプ』に登場する「見かけ倒しだった哀れなデカキャラ」
■圧倒的戦闘力を支えるまさかの動力源とは…『ドラゴンボール』メタリック軍曹
『ジャンプ』のバトル漫画といえば、1984年から連載された『ドラゴンボール』も忘れてはいけない。 鳥山明さんの代表作にして国民的人気を誇る本作にも、見かけ倒しなデカキャラが登場する。それが「レッドリボン軍編」にて、幼少期の孫悟空と戦った「メタリック軍曹」だ。 レッドリボン軍・ホワイト隊の基地である「マッスルタワー」の3階を守っている番人で、隊のなかでも随一の巨体を誇り、初めて出会う悟空も「わ~でっけえな」と、その体躯に驚いていた。 見た目通りかなりタフな男で、これまで数々の強敵を打ち倒してきた悟空の攻撃にびくともせず、挙句は口から“ミサイル”を放ったり、腕を“ロケットパンチ”として飛ばすなど、意表をついた攻撃の数々で悟空を圧倒する。 その攻撃からも分かるように、メタリック軍曹の正体は人間ではなくロボットだった。このため、悟空の「かめはめ波」で頭部を吹き飛ばされてもなお攻撃し続けるなど、予想外の不死身さを見せつけた。 だが、実は彼は“乾電池”を動力としていた。結果的に“電池切れ”を起こしたことで、あえなく停止……事実上、悟空の勝利となった。 なんともあっけない幕切れを迎えてしまったが、一方でもし彼が乾電池ではなくまともな動力源を兼ね備えていたらと考えると、少しストーリーが変わっていたかもしれない?
■敗北を味わい成長していくその姿は必見…『キン肉マン』キン肉マン ビッグボディ
『週刊少年ジャンプ』で“プロレス”をベースとしたバトル漫画といえば、1979年より連載が始まったゆでたまごの『キン肉マン』だ。 主人公の“キン肉マン”ことキン肉スグルをはじめ、数多くの個性的な超人たちが登場する本作において、“巨体”を活かしきれず、どこか不遇な扱いを受けてしまったデカキャラといえば、「キン肉星王位争奪編」にて登場したキン肉マン ビッグボディだろう。 もともとはストロングマンと名乗っていたが、“強力の神”が宿ったことでキン肉マン ビッグボディとして生まれ変わり、強力チームを率いて王位争奪編に参戦。 その名の通り大きな体と怪力が最大の武器で、ほかの参加者に負けず劣らずの強者オーラを身に纏っていた。 しかし、強豪揃いの知性チームと初戦で出会ってしまったことが、彼の運の尽きとなってしまう。最初こそ強気だったビッグボディだったが、チームメンバーがマンモスマン一人に連続撃破されていくたび、その自信がみるみる崩れ落ちていく。 最終的には自身もキン肉マン スーパー・フェニックスと激突することになるのだが、試合開始直後に「マッスル・リベンジャー」をかけられ、なんと一撃で敗退してしまったのだ。 技をかけられている間も「強力の神にそそのかされてムリヤリ出場させられた」と言い訳めいたセリフを吐いてしまうなど、その巨体をいっさい活かすことができず、あっさり争奪戦から退場することとなった。 なんとも小物感溢れる姿を披露してしまったビッグボディだが、のちに続く新シリーズにもしっかりと姿を現しており、肉体的、精神的にも成長した姿を見せつけている。壮絶な負けっぷりだけでなく、のちの成長劇からも目が離せないデカキャラだと言えるだろう。 バトル漫画において人間離れした“巨体”を持ったデカキャラは、主人公らに立ちはだかるお馴染みの存在だ。しかし、その高いポテンシャルを活かすことができず、あまりにもあっさりと散っていった不遇なキャラも少なくはない。 しかし、デカいうえ、作中で一番強いとなると、それはやはりバトル漫画としては成立しないのであろう。“かませ犬”としての役割を十分に果たした愛すべきデカキャラたち、あなたの印象に残っているのはどのキャラだろうか?
創也慎介