新垣結衣×早瀬憩主演で映画化!『違国日記』が伝える「人と人は分かり合えない」という希望
人と人は分かり合えない。でも、歩み寄ることはできるかもしれない――。 そんな人間関係の絶望と希望を優しい眼差しで描いたヤマシタトモコの傑作コミック『違国日記』(全11巻、祥伝社)が、新垣結衣と早瀬憩のW主演で6月7日(金)より劇場公開される。 【漫画を読む】『違国日記』1巻を期間限定で無料公開中!
「あなたのことを愛せるかわからない でも…」
人見知りの小説家・高代槙生(新垣)は、疎遠だった姉とその夫が事故死した報せを受け、病院に向かう。そこにいたのは、中学3年生の姪・朝(早瀬)だった。葬式で、朝が親戚たちの心ない言葉に囲まれていることに耐えられなくなった槙生は、一緒に暮らすことを提案する。 しかしその一方で、姉のことが「心底嫌い」だと朝に明言する槙生。その娘である朝のことも愛せないかもしれない不安を抱えていることを正直に伝える。 「あなたのことを愛せるかわからない でも わたしは決してあなたを踏みにじらない」 ぎこちなく始まった共同生活。人に対してストイックなまでに誠実であろうとする槙生の言葉は、その誠実さゆえに、ときに朝を傷つける。それでも、互いに歩み寄りながら、2人は徐々に心を通わせていく。
相手との境界線を知ってこそ、人は人に近づける
距離が近づいたかと思っても、あなたとわたしは別の人間だから、互いの思いを理解することはできない、と朝に断言する槙生。その言葉は、一見すると冷たく聞こえるかもしれない。でも彼女が朝に放つさまざまな言葉は一貫して、個人の思いを尊重するためのものだ。だからときに、槙生の言葉は朝にとって心のお守りにもなる。それを象徴するのが、次の言葉だ。 「あなたの感じ方はあなただけのもので誰にも責める権利はない」 親子やきょうだいや親友など、どんなに近い関係性でも、その人の思いをコントロールしたり否定したりしてはいけない、という個人の心を尊重する強い思いが槙生の中にはある。その背景には彼女の姉による“言葉の呪い”があることが、物語の中で徐々に明かされていく。 他人と自分とのあいだにある“境界線”を知ってこそ、人と人は近づくことができることを教えてくれる『違国日記』。槙生や朝、そして2人をとりまく登場人物それぞれが、人と関わるなかで負った心の傷を、人と関わるなかで癒やしていく様は、雑誌「FEEL YOUNG」での連載時(2017~2023年)から、「心が救われる」「人生の本棚に入った」と大きな反響を呼び、「マンガ大賞2019」第4位、ダ・ヴィンチのブックランキング企画「BOOK OF THE YEAR 2023」コミックランキング第1位、「このマンガがすごい! 2024」オンナ編第5位など数々の漫画賞を賑わせてきた。実写映画化に続いて、TVアニメ化も予定されている。
FRaU マンガ部