大の里（右）は寄り切りで琴桜を破る（カメラ・橋口　真）

◆大相撲夏場所６日目（１７日、東京・両国国技館） 　新小結・大の里（二所ノ関）が、大関・琴桜（佐渡ケ嶽）から初白星を挙げて４連勝。５勝１敗とした。琴桜との立ち合いで両脇を締め、体をぶつけた。大関の脇が空いた隙を見逃さず、得意の右をねじ込んだ。「体が動いてくれた」と、相手の投げに乗じて一気に寄り切り。４秒０での完勝に「何も考えていなかった」。口元を引き締め、土俵上でうなずいた。 　初場所と春場所は、Ｖ争いしながらも琴桜（当時・琴ノ若）が立ちふさがった。新入幕だった初場所は９日目を終えて琴ノ若らと１敗で並びトップだったが、立ち合いでもろ差しを許して完敗。春場所も当たりを止められ、最後は投げられた。ともに初賜杯が遠ざかる黒星を喫していただけに、「２回負けているので同じ失敗をしないように心がけた」と雪辱に燃えていた。 　八角理事長（元横綱・北勝海）は「元々力はあるし、上位にも慣れてきた」と、うなずく。横綱・照ノ富士、大関・霧島に続き１横綱２大関を撃破した勢いについても「今後は研究されるかもしれないが、馬力は止められない」と期待を寄せた。全勝でトップの宇良（木瀬）を１差で追い、悲願の初賜杯のチャンスも出てきたが、「まだ早い。前半戦ですし、優勝は考えられない」と浮かれる様子はなかった。