母親が年金を受け取る前に認知症になりました。年金の請求は長男の私が手続きしてもいいのでしょうか?
Aさんの親は、年金を受け取る前に認知症になり、要介護認定を受けました。年金受給の請求手続きができる状態でないため、長男であるAさんが手続きできるのか知りたいとのことです。本記事で見ていきましょう。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
年金受給の手続きの流れ
老齢年金は、原則として65歳(注1)になったときに支給が始まり、生涯にわたって受けることができます。ただ、年金は受け取る権利(受給権)ができたときに自動的に始まるものではありません。老齢年金を受け取るためには、年金の請求手続きが必要となってきます。 年金請求手続きは、以下の手順となります(※1)。 (1) 65歳(受給開始年齢)になる3ヶ月前に日本年金機構(注2)から、年金請求書(事前送付用)と年金の請求手続きの案内が本人宛てに送られてくる (2) 年金請求書には年金加入記録が記載されている。記録を確認して「もれ」や「誤り」がある場合は、事前に近くの年金事務所まで問い合わせる (3) 年金請求書に必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、添付書類(必要に応じて住民票原本や収入について証明する書類など)とともに、年金事務所に提出する(注3) (4) 年金請求書の提出から約1~2ヶ月後に「年金証書・年金決定通知書」が送られてくる (5) 「年金証書・年金決定通知書」が届いてから1~2ヶ月後に、年金の支払いの案内が送られてきて年金の受け取りが始まる 注1:原則は65歳ですが、60歳から65歳までの間に受給開始時期を繰上げて減額された年金を受け取り始める「繰上げ受給」や、66歳から75歳までの間に受給開始時期を繰下げて増額された年金を受け取り始める「繰下げ受給」の制度があります。 注2:共済組合期間のみの場合は、共済組合から送られてきます。 注3:年金の請求をせず、年金を受けられるようになったときから5年を過ぎると、法律に基づき、5年を過ぎた分の年金については時効により受け取れなくなる場合があります。