文楽の人間国宝、住大夫引退公演が満員の中、千穐楽。大阪のファンにお別れ
国立文楽劇場、文楽協会、文楽応援団などから花束を贈られ、弟子やスタッフ、ファンに見送られ、笑顔で劇場をあとにした住大夫。 「最後の最後まで住大夫師匠らしい語りを聴かせてくださった。感謝の思いでいっぱいです。30周年にふさわしい舞台でした。残念ですが、これからも文楽を支えていただきたい」と、国立文楽劇場の水野英二理事。 5月には東京で、引退公演が行われる(5月10日~26日、国立劇場)。「恋女房染分手綱」。同じく人間国宝の簑助と、今後の文楽を中心で担っていく二人の人形遣い、勘十郎、玉女が花を添える。 竹本住大夫(たけもとすみたゆう) 1924年10月28日大阪市生まれ。89歳、現役最高齢の大夫。住大夫としては七世。父は六世竹本住大夫。1946年、二代目豊竹古靱太夫(のちの豊竹山城少掾)に入門し、豊竹古住太夫を名乗る。1985年、七代目を襲名。1989年、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定、日本芸術院会員、文化功労者。2012年夏に脳梗塞(のうこうそく)で倒れ、2013年の1月に復帰したが、 「今までやれていたことがやれなくなった」と、2014年2月28日に引退を発表。5月の東京公演が最後の舞台。