アダストリアとサンリオが語るファン作りを促進するための“メタ施策”+メタバースの可能性とは?
島田氏:バーチャルはもはや“リアルの場の代替品”ではなく、バーチャルならではの価値提供をできる場ですよね。アダストリアもメタバースに参入する際、従来のEC事業と同じようにメタバース空間で商品を販売するだけではなく、体験価値を提供することにも重きを置いてきました。
町田氏:バーチャルならではの可能性、良さと言えるのは、 ・「バーチャルならでは」「リアルならでは」の良さがあること ・クリエイターたちとの出会いを創出できること ・ファン同士がコミュニケーションできる場を提供できること
だと感じています。リアルとバーチャルが両方あることで、新しい付加価値を作ることができるのです。
島田氏:メタバースとリアルが別々ではなく、地続きの流れを表現できるというのは本当にすごいです。 「SANRIO Virtual Festival」で実施した音楽ライブは、私もユーザーの1人として参加しました。VRならではの映像表現に圧倒されました。鳥肌が立ったのを覚えています。 町田氏:バーチャルでの表現は、リアルよりもダイナミックさ、派手さを追求できます。それもバーチャルならではと言えるかもしれません。 VRならではの演出でファンを楽しませる
リアルとメタバースを地続きに楽しむ仕掛け
島田氏:メタバースとリアルをつなぎこみ、双方を楽しんでもらうという考え方にはとても賛成です。アダストリアでは、メタバースのアバターとリアルの自分と同じ洋服でファッションを楽しむユーザーが増えています。「自分の3DCGアバターに着せた洋服がかわいくて気に入ったので、同じデザインの服をリアルでも買ってみた」という嬉しい投稿をSNSで見かけています。2023年9月には、メタバース上のアバターを組み合わせたライブコマースの取り組みに挑戦しました。 ■ メタバース世界からファンを“逆輸入”――。新たなファン作りの形とは
町田氏:メタバースをきっかけにリアルでもサンリオピューロランドに足を運んだ方もいます。今までは関心がなかったキャラクターグッズを購入したなど、良い波及効果も感じています。 また、すでにサンリオピューロランドを訪れたことがあるファンの間では、メタバース上に再現したピューロランドの再現性の高さに驚いたという声もあがっています。 島田氏:「ナカヨクコネクト」のように、リアルとバーチャルがコネクトする演出は、今後多くのクリエイターや事業者が取り組むようになるのではないでしょうか。その礎をサンリオさんが築いている印象です。 町田氏:「リアルの自分の世界ではない、アバターの自分だからこそ、周囲の目を気にすることなくステージ上の出演者やキャラクターに声援を送れる」という方もいます。リアルとバーチャルを別々と捉えるのではなく、楽しむ場所をファンが選べる環境を提供していきたいです。 2024年2月19日~3月17日に開催予定のメタバースイベント