世界の航空業界、25年に収入総額初の1兆ドル突破へ=IATA
[ジュネーブ 10日 ロイター] - 国際航空運送協会(IATA)は10日、2025年の航空業界全体の収入総額が1兆0070億ドルとなり、24年の9640億ドルを上回って初めて1兆ドルを突破するとの見通しを示した。25年の純利益は366億ドルと、24年の315億ドルからの増加を見込む。来年の旅客者数は過去最高水準の52億人に上ると試算した。ウィリー・ウォルシュ事務局長は、米航空機大手ボーイングと欧州の同業エアバスによる新型航空機の納入遅れに関し、航空各社の成長の阻害要因となってきたとして「容認できない」と指摘した。新型の効率性の高い航空機がなければ、より多くの乗客を運びつつ燃料費の削減はできないと指摘されている。エアバスはエンジン供給の遅れなどを受けて数カ月前に納入目標を引き下げたほか、ボーイングもストライキや品質問題への対応に直面し、生産の減速を余儀なくされた。IATAは、正常化しつつあるとしたものの、25年まで機体の供給遅れの影響が続く可能性を指摘した。ウォルシュ氏は、2期目のトランプ次期米政権については、1期目は業界の後押しとなったとして「業界にプラスになるとみている」と言及した。IATAは、中東やウクライナの情勢次第では、業界にリスクをもたらす恐れがあるとも指摘した。25年の旅客単価(旅客1人が1マイル当たりに支払う平均価格)は前年から3.4%減ると予想している。