「伝統的酒造り」ユネスコ無形文化遺産に 祭礼行事など日本文化と密接 鹿児島県
鹿児島放送
ユネスコ=国連教育科学文化機関は、日本の「伝統的酒造り」を「無形文化遺産」に登録することを決めました。 南米のパラグアイで開催されているユネスコ政府間委員会で日本酒や焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」が「無形文化遺産」に登録されることが決まりました。 こうじ菌を用いる日本酒、焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」は、日本各地の気候風土に応じて、杜氏や蔵人が築いてきた手作業の技術で、祭礼行事など日本の文化とも密接に関わってきました。 「無形文化遺産」は、伝統的な工芸技術などを保護する制度で、日本からは能楽や歌舞伎、和食などが登録されています。 登録決定を受けて県酒造組合の濱田雄一郎会長は 【県酒造組合濱田雄一郎会長】 「生活文化に根ざした技術であり、それが継承されてきて残っている状況が総合的に評価されたっていうのは素晴らしいと思いますね。今後の後継者確保とか、業界の人材の確保とかこういうところでも大きな効果がでるんじゃないかと期待していますね」 けさ取材に応じた塩田知事は。 【塩田知事】 「焼酎造りに携わっている皆さん方の励みにもなりまた、こうした伝統的な技法が継承され焼酎のですね知名度向上認知度向上そして販路開拓にもつなげられればと思っております」 登録が決定したきょうも、県内の酒蔵では仕込みが作業が行われていました。 【濱田酒造の蔵人岩下純一さん】 「もろみが均一にかくはんされるように考えながら作業しています」 いちき串木野市の「濱田酒造・伝兵衛蔵」。明治元年、1868年に創業した手づくりの焼酎蔵です。毎年9月から芋焼酎の仕込みが始まり、この時期は蔵人が毎日、かい棒を使ってもろみの発酵を促す「かい入れ」の作業をしています。 県内には109の蔵元があり、焼酎造りに携わる職人からも喜びの声が聞かれます。 【濱田酒造生産本部 東條健太・副本部長】 「世界的に評価されたっていうのは非常に光栄ですし、我々が普段やっている仕事が誇りをもてる、そして励みになるなという風に感じています。実体験してもらうことでより身近に感じてもらえるのかなと思いますので、ぜひ足を運んでいただければなと思います」 一方、こちらは、1964年創業。鹿児島市内に3店舗を構えるコセド酒店です。鹿児島を中心に九州各地の焼酎およそ600銘柄を取り扱っています。 【コセド酒店 米盛茂樹社長】 「若い方たちも含めて焼酎見直す動きって少しずつ出てきてるかなっていうふうに思ってるんですけど、こうじを使ってそういう焼酎をつくるんだっていうことをご存じない方達も多いので今回のきっかけにして焼酎のもっと深い部分を知っていただくように自分たちも取組んでいきたいと思っています」 こちらの店では蔵元と消費者らが交流を図るイベントを定期的に開催しているほか、海外で焼酎の魅力を発信するイベントにも取り組んでいます。 【コセド酒店 米盛茂樹社長】 「今回のユネスコの登録を契機に海外の人たちも興味をもっていただけると思うので、色々と彼らにとって興味深いと思ってもらえるようなそういう勉強会だったりとか、イベント、また海外とも組んだりしまして、焼酎が世界に出ていくようなところの一翼を担えるように頑張りたいなと思います」 ※濱田酒造・濵田会長の「濱」はまゆはま