予想外のDeNA「ドラ1」に「独立リーグ」選手の指名増 「ドラフト会議」今だから明かせる“意外な指名”の裏側
独立リーグ選手の指名が増加
改めて、DeNAの指名を振り返ってみると、統一ドラフトとなった2008年以降に2位以上の上位で指名された高校生投手は、話に出た小園と2011年の北方悠誠(唐津商)しかおらず、北方も3年で球団を去っている。 球団内では柴田獅子(福岡大大濠→日本ハム1位)や地元の藤田琉生(東海大相模→日本ハム2位)といった将来性のある高校生投手を推す声もあったとのことだが、指名は見送られ、2位でも大学生投手の篠木健太郎(法政大)を指名している。ここにも球団関係者の話す高校生投手の成功例の無さがよく表れていたと言えそうだ。 高い評価を得たという意味で、昨年に続いて話題となったのが、独立リーグの選手たちだ。今年は2位以内の上位指名こそなかったものの、中込陽翔(四国IL徳島→楽天3位)、加藤響(四国IL徳島→DeNA3位)を皮切りに7人もの選手が支配下で指名を受けた。 これは昨年の6人を上回る数字である。昨年、上位指名で入団した大谷輝龍(日本海リーグ富山→ロッテ2位)と椎葉剛(四国IL徳島→阪神2位)が1年目に苦戦していることが“逆風”になるのではないかという声があったが、その予想は完全に外れた。 なぜ、独立リーグの選手を高く評価する球団が多かったのだろうか。その理由の一つとしてある球団のスカウトはデータを重視する傾向が強まっているのではないかと話す。 「高校、大学、社会人と比べて独立リーグは公式戦の数が圧倒的に多い。加えてNPBのファームとの交流戦も多く、そうなるとかなりのデータを収集することができます。データのサンプル数が多ければ、それだけ現在いる選手との比較もしやすくなりますよね。良いか悪いかは別として、そういうデータを重視する考え方が広まってきていることは確かだと思います。逆に、高校生は、どうしても試合数が少ないので判断が難しい。それを補うために独自に調査に動いている球団も出てきていますね」(関東地区担当スカウト)