レタス栽培のスタートアップ企業 スプレッド(京都)が民事再生法の適用を申請
(株)スプレッド(TDB企業コード:500576341、法人番号:5130001026596、資本金4億7000万円、京都府京都市下京区中堂寺粟田町93 KRP6号館、代表稲田信二氏、従業員70名)は、8月26日に京都地裁へ民事再生法の適用を申請した。 申請代理人は河本茂行弁護士(河本総合法律事務所、京都府京都市中京区烏丸通三条下ル大同生命京都ビル8階、電話075-231-3101)ほか2名。 当社は、2006年(平成18年)1月に設立した施設園芸農業者。京都府亀岡市内に人工光制御型の植物工場(プラント)を建設し、フリルレタス、プリーツレタス、スティックレタスの生産を手がけていた。製品は、外食・中食向けに販売するほか、大手スーパーのOEM商品を生産。LED照明による多段式水耕栽培方式を採用することで無農薬栽培を可能とし、露地栽培品との差別化を図っていた。 さらに、2018年11月には京都府木津川市内に開設した「テクノファームけいはんな」が稼働を開始したことで、「亀岡プラント」では日量2万1000株、「テクノファームけいはんな」では同3万株と、国内最大規模の生産能力を持つ生産者となり、2023年9月期は年売上高約19億1400万円を計上した。 この間、当社が技術を供与する形でのフランチャイズ事業にも乗り出し、2021年には中部電力(株)(TDB企業コード:400083612)などとの合弁会社を立ち上げ、静岡県袋井市内に「テクノファーム袋井」を稼働させていた。 しかし、先行する開発費負担が収益性を圧迫し、7期連続で経常赤字を計上していた。取引金融機関からの借入金のほか、事業会社やエンジェル投資家から総額40億円の資金調達を実施するなどで、資金をつないでいたものの、2024年3月に合弁会社の「テクノファーム袋井」において設備トラブルが発生。また、エネルギー価格高騰の影響で採算が悪化していたことから、同年4月には亀岡プラントでの生産を停止したなか、資金繰りの見通しが立たなくなり、自主再建を断念した。 負債は2023年9月期末時点で約37億4300万円。 なお、既に複数社よりスポンサー支援の検討に関する意向が表明されている。