それって下肢静脈瘤かも!? 足がつる、だるい、かゆい…専門医が唱える9つのセルフチェック&簡単だけど効果絶大の対策
足がだるくて、足の血管がボコボコと浮き出ていたら、下肢静脈瘤かも……ほうっておいても自然に治ることはないので、医師への相談が必要だが、病院に行く前に自分でできる症状のチェックや対策があるという。下肢静脈瘤専門クリニック目黒外科・院長の齋藤陽先生に解説いただいた。 〈画像〉ふくらはぎがボコボコになってしまった下肢静脈瘤
下肢静脈瘤とは?
下肢静脈瘤は足の血管の病気です。 足の血管がボコボコと浮き出てきて、くねくねと曲がりくねっている状態をいいます。足の静脈には足に溜まったゴミを血液と一緒に心臓に運ぶ機能があります。 その際、血液が逆流しないように静脈弁というストッパーがついているので、血液は心臓まで運ばれるのですが、そのストッパーが緩んでしまうことで逆流してしまうことがあります。そうするといつまでたっても、汚れた血液が心臓まで運ばれず足に溜まりっぱなしになるため、静脈がこぶのように膨れてしまうのです。 代表的な症状として、足のだるさ、むくみ、こむら返りなどがありますが、ほかに、足にかゆみを感じることもあり、それをかきむしってしまうことで引っかき傷がひどくなり、皮膚がえぐれた状態の潰瘍になることもあります。 下肢静脈瘤は、すぐに治療しないと命に危険が及ぶということはありませんが、自然に治ることはなく、足の血管のボコボコが気になったり、足のだるさ、こむら返りなどが日常的に起こったりするので、生活のクオリティが下がるなどの懸念があります。
圧倒的に女性に多い下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は加齢とともに、静脈の壁が徐々にもろくなり、静脈弁も壊れるため、高齢者に多くみられますが、圧倒的に男性より女性に発症します。 理由として、女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、血流をサポートするポンプ作用となる役割のふくらはぎの筋力が弱い傾向にあるということが挙げられます。 また、妊娠、出産も大きな原因の一つです。 妊娠中は、赤ちゃんや胎盤の成長とともに、体内の血液量が増え、血管に負担がかかるため、静脈瘤ができやすくなります。また、女性ホルモンも関係しています。妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌量が増加しますが、これらのホルモンは血管を拡張させるため、静脈弁が伸びやすくなり、下肢静脈瘤になりやすくなるのです。 ほかにも、立ち仕事で一定の場所からあまり動かない職業の人にも発生しやすく、1日10時間以上、立って仕事をする人は要注意。 立ち続けることで、ふくらはぎの筋肉のポンプ作用が十分働かなくなるからです。 また、運動習慣がない人も筋肉量が少ないため、下肢静脈瘤になりやすい傾向にあります。