サムスン電子「HBMテスト進展」エヌビディア納品間近を示唆
サムスン電子が7-9月期に歴代最大の四半期売上高(79兆ウォン、約8兆7560億円)を記録したが、半導体部門では市場の期待に及ばない3兆ウォン台の営業利益にとどまった。ただし最新高帯域幅メモリー(HBM)のエヌビディア(NVIDIA)品質テストに意味ある進展があったとし、10-12月期のHBM売上拡大を展望した。 31日、サムスン電子は7-9月期連結基準の売上は79兆897億ウォン、営業利益は9兆1834億ウォンを記録したと公示した。売上は直前四半期比約7%増となり、以前の最高値(2022年1-3月期77兆7800億ウォン)を更新した。 営業利益は直前四半期比12.1%減となり、営業利益率も低くなった(14.1% →11.6%)。半導体(DS)部門で市場見通し(4兆~5兆ウォン台)よりも低い3兆8600億ウォンの利益を収めたことが会社全体の営業利益を引き下げる結果となった。DS部門の営業利益は直前四半期(6兆4500億ウォン)比40%減となり、SKハイニックスの7-9月期営業利益(7兆300億ウォン)の半分水準を記録した。 ただし、DS部門でメモリー事業営業利益は市場予想値を超える7兆ウォンに達すると推定される。人工知能(AI)の需要に合わせてHBMやDDR5、サーバー用SSDなど高収益製品の販売が伸びたためだ。 サムスン電子はカンファレンスコールで「HBMの売上は前四半期に比べて70%以上増え、DDR5の売上伸び率は10%中盤、サーバー用SSDは30%中盤」としながら「高収益製品の販売に支えられてDRAMやNAND型フラッシュメモリー平均販売単価(ASP)が前四半期比一桁数後半で上昇した」と明らかにした。ファウンドリ(委託製造)・システムLSI事業部では赤字が1兆ウォン台中盤程度となった。 サムスン電子はHBMに関連し、市場リーダーシップを確保していくというメッセージを出した。カンファレンスコールで「複数の顧客用途でHBM3E 8層と12層製品のどちらも販売を拡大している」とし、これまで焦眉の関心事だった「エヌビディアHBM3E納品」に対して「主要顧客クオル(品質テスト)過程上、重要な段階を完了する有意な進展を確保し、10-12月期中に販売拡大が可能になる」と明らかにした。 グローバルHBM需要(TrendForce)はエヌビディア(58%)・グーグル(18%)・AMD(8%)などで発生しているが、グーグルとAMDなどビッグテックに対してすでにHBM3Eを販売中であり、エヌビディアにも納品が間近であることを示唆する発言だ。 サムスン電子は7-9月期のHBM関連売上で最新製品であるHBM3Eの比率が10%初~中盤だが、10-12月期には50%へ拡大すると自信をのぞかせた。特に、次世代HBMに対する主導権を握るために、ファウンドリ競争会社であるTSMCとの協力も示唆した。2025年下半期の量産を目標に開発している第6世代HBM4について「複数の顧客とオーダーメード型HBM事業化を準備中」としながら「ベース(ロジック)ダイ製造に関連するファウンドリパートナーの選定は顧客の要求を優先に、内外部関係なく柔軟に対応していく予定」とした。エヌビディアなど最終顧客が望むなら、自社ファウンドリに固執せずにTSMCとも協力するという意味だ。 7-9月期MX(モバイル経験)・ネットワーク事業の売上(30兆5200億)と営業利益(2兆8200億ウォン)は前四半期比11.5%、26.5%それぞれ増加した。GalaxyZフォールド6・フリップ6とGalaxy Watchなどウェアラブル新商品の効果でMXが全体の98%ほど売上を押し上げた。ディスプレイ(SDC)も売上8兆ウォン、営業利益1兆5100億ウォンを記録して前四半期比4.6%、49.5%それぞれ増え、営業利益成長は最大だった。