中村ヒロキ──蚤の市の達人になるためのオールスター・ガイド
『GQ』は世界で活躍する4人のデザイナーお気に入りの蚤の市巡りに同行させてもらった。今回はビズビムのデザイナー、中村ヒロキ。 【写真を見る】「 (蚤の市で)探しているのは、新しい視点です。特定のものを探しているわけではありません」と語るビズビムのデザイナー、中村ヒロキ。
物語を語れる売り手を探して
ビズビムの中村ヒロキは、ファッションや生地にまつわる文化、歴史を深く掘り下げ、伝統的な職人の手仕事を駆使しながら「未来に受け継がれる」服作りを行っている。その服は、日本の「わび・さび」──不完全さや無常さに美を見出す精神的な概念──を想起させる。 中村は蚤の市によく出かけるが、なかでも、京都の五重塔で知られる京都・東寺の弘法市がお気に入りというのも納得だ。磁器、木彫り、古布、そして何より、さまざまな品物に深い愛情を抱き、それにまつわる物語を語れる売り手を探しに行くのだ。「本当の意味での目利き、センスがある人に会いたいですね。ビジネスのためではなく、情熱のためにやっている人たちに、とても惹かれます」 【東寺弘法市】 場所:日本、京都 開催:毎月21日 WORDS BY MAX BERLINGER PHOTOGRAPHS COURTESY OF KEISUKE FUKAMIZU TRANSLATION BY MIWAKO OZAWA