「カード停止したのに不正利用が止まらない!」クレカ詐欺…カード会社はどこまで補償してくれる?
一度の取引で1万円までならオフラインになりやすいと推測されるため、詐欺集団は毎日マックス1万円分を、人海戦術でせっせと稼いでいたのだ。 「相当組織的ですよ。だってコンビニとかに行って、延々タッチ決済を繰り返さなきゃいけないわけですから。一体何百人でやってるんだみたいな話ですよ」 ネットでは海外の犯罪組織を想定した書き込みも多く、「当たらずとも遠からず」と松岡さんは言う。バックに巨大な組織があり、一攫千金ではなく、チリツモでセコセコと小銭をかすめ取る。それが今のカード詐欺の主流なのだ。 ◆詐欺被害はカード会社の全額補償が鉄則。だが、「61日を過ぎる」と…… イオンカードの件では、カードを止めてから3ヵ月も不正利用が続いたという書き込みも見かけた。なぜそんなに時間がかかったのだろうか。 「いくらタッチ決済で認証を取らなかったとしても、システム上1日1回ぐらいはブラックリストが更新されるはずなんですよ。新しく引っかかったカードがあれば、自動的にサーバーから加盟店のシステムに通知がいきます。 今回は不正の数があまりにも膨大でサーバーがカバーしきれなかったか、システム的に追いつかない部分があって、後手後手に回ったのではないでしょうか。イオン側の不手際というか、お粗末な部分があったのは否めないと思います」 今回のような被害に遭った場合、カード会社はどこまで補償してくれるのか。会社によって補償の手厚さが違ったりするのだろうか。 「どの会社も、詐欺被害を補償しないことはあり得ないと思います。今回も後手後手に回ってはいるけれど、きちんと補償されるはずです。 元々カード会社は性悪説に立っていて、カードは不正に遭うものだという認識ができあがっていますので、きちんと条件を揃えていれば、補償してくれます」 ただしその条件の中でも気をつけなければならないことがある。不正利用の申告から遡って60日前までの利用については補償してくれるが、61日を過ぎると免責となり、補償対象外になってしまうのだ。 「なので、詐欺に気づいたら一刻も早くカード会社に連絡することが大切です。大規模な詐欺だったりすると、人手が足りなくて電話が繋がりにくかったり、繋がってもいろいろと迂回させたりというような不手際はあると思いますが、どの会社もプラチナやゴールドなど、ステータスの高いカードだと、そのあたりはスムーズに進みやすいようです」 ステータスの高低には関係なく、60日以内の被害額は必ず補償されるが、そこに行き着くまでの対応には若干差があるということか。飛行機でファーストクラスに乗ってもビジネスクラスでも到着する場所に変わりはないが、旅の快適さには差があった、みたいな感じなのかもしれない。