「進路の選択肢になれば」三重県土地家屋調査士会 三重高で出前授業
進学コース3年に登記申請や建築に関わる条例など話す
三重県土地家屋調査士会(川井一浩会長、約250人)は1日午後1時20分から三重県松阪市久保町の私立三重高校(神崎公宏校長、1578人)で、同校進学コース(556人)の3年生(190人)を対象に出前授業を行い、生徒の進路の選択肢の一つになればと土地家屋調査士の仕事を紹介した。 生徒たちに同調査士の仕事内容などを説明し知ってもらうことで、職業を考える際の選択肢を広げてもらおうと10年以上前から行っている。これまでは主に工業系の学校で開いており、三重高では初めて。同校としては松阪の地域創生について学ぶ探究研究授業として受けた。 この日、講師を務めたのは子供3人が同校出身で調査士歴20年目の同会副会長・山本幸司さん(54)=下村町、自身が同校出身で調査士歴11年目の同会広報副部長・吉田穣次さん(44)=鎌田町=の2人。 前半は山本さんが調査士について、土地や建物の調査・測量、不動産に関する登記の申請手続きを行う専門職ということや、建物を建てる際に関わる条例の説明、遊園地のアトラクションなど実際の登記をどのようにしているかを話した。 後半は吉田さんが登記の説明を踏まえ、仕事で航空写真を参考にすることから、同校がある久保町などの過去三つの時代と、近年撮られた同町などの航空写真を紹介。1948(昭和23)年には三重高の建物は存在せず森や田畑が広がっていたが、61(同36)年になると校舎の建設が始まるとともに、周辺に建物が建ち始め、75(同50)年には校舎はあるものの、前の校舎であることを生徒と確認した。 その後、ドローンを使った最新の測量技術の紹介と、三重高の3Dデータを用いた測量のデモンストレーションもあった。最後は、最近の土地に関する問題として所有者不明の土地が増加し、既に九州の面積に匹敵していることや地籍調査が全国平均では53%が完了したものの、県内では10%しか完了していないことなどを伝えて、調査士の果たす役割が大きいことを伝えた。 隈部条君は「建物を建てる際には多くのルールがあることを知って驚いたが勉強になった。大学に進学したら資格をたくさん取得しようと考えているので、土地家屋調査士にも興味が湧きました」と話した。 同校では今回作成した同校の3Dデータを次回の探究研究授業で活用する予定。