公明の石井代表辞任で後任に斉藤鉄夫氏、岡本三成氏浮上 ベテランか刷新か 9日正式決定
公明党の石井啓一代表(66)は31日の党会合で、代表辞任を正式に表明した。衆院選での自身の落選や議席減少の責任を取った。党内では新代表候補として斉藤鉄夫国土交通相(72)と、岡本三成政調会長(59)を軸に調整が進んでおり、9日の臨時党大会で正式決定する。 【表でみる】公明党・石井代表の後任候補 石井氏は31日の党会合で、辞任理由に関し「党代表は国会論戦を通じて党の考え方を表明する役割や、国会に関するさまざまな動きを迅速に判断しなければならない。党の代表は国会議員が務めるべきだ」と述べた。党会合では西田実仁幹事長(62)も辞意を示したが、石井氏が慰留したとも説明した。 衆院選で公明は、公示前の32議席から8議席減らし24議席となった。小選挙区は4勝7敗で、石井氏を含む7人が落選した。かつて「常勝関西」として公明が強い地盤を誇った大阪府では、4小選挙区で日本維新の会と戦い全敗した。 また、過去に900万票ほどあった比例代表での獲得票数も初めて600万票を割り込み、596万票だった。党幹部は「議席減でいくつもの役職を兼任しなければならない。大変なのはこれからだ」とぼやく。 党勢に陰りが差し、党代表までが去る中、党内は新代表の資質を巡り「経験」と「刷新」の間で揺れ動く。新代表には来夏の東京都議選と参院選での勝利に向けた「党の顔」としての魅力と、難解な政局を乗り切る力量が求められるからだ。支持母体の創価学会関係者は「基本は斉藤、岡本両氏の綱引きだ」と明かした。 斉藤氏は閣僚や党要職を歴任した経験から安定感がある一方、「本来なら勇退している年齢」(党関係者)との指摘もある。世代交代の観点から推される岡本氏は党要職の経験が浅く、党再建への手腕は未知数だ。党幹部は「経験が大事だという意見もあるし、世代交代をした方がいいという意見もある」と頭を抱えた。ある学会幹部は後任人事について「難しい局面のかじ取りはベテランでないと対応できないという意見もあるようだが、刷新して出直した方がいい」と語った。(長橋和之)