「女性から触ってきたから…」セクハラ告発され“降格処分” 不服を訴えるも裁判所から一蹴…男性課長の“悲しき勘違い”
裁判所の判断
裁判所は「降格処分はOK」と判断した。大きな理由は「故意に身体を触るセクハラを継続的に行っており悪質な行為と言わざるを得ない」というものだ。 大腿部を触った件について男性課長は「女性部下が私のお腹をつつくなどしてちょっかいを出すことがしばしばあったので、そのときにそれを止めるよう伝える意味で女性社員の大腿部をたたいたにすぎません」と反論したが、裁判所は以下のとおり一蹴している。 「たしかに女性部下から親密なLINEが送られていたり、女性部下が男性課長の腹部を頻繁に触ることがあったとはいえ、課長の立場からすれば、女性部下に対して【従業員同士の適切なコミュニケーションの取り方を指導】すべきである。にもかかわらず、指導せずに自分からも繰り返し女性部下の身体を触っており、女性部下が男性課長の腹部を触っていたことを重視すべきではない」 さらに裁判所は、男性課長が書いた顛末書について「反省の弁を記載する一方で、女性部下が性的に奔放な女性であるとの印象をあたえる事実を記載しており、自らの行為の問題点を十分に理解し反省しているとは言い難い」と“お怒り”であった。
最後に
私を含め、男性たちはこの事件を教訓とすべきであろう。女性部下が親密な態度をとってきたとしても勘違いしてはいけない。どれだけ親密なLINEが送られてこようとも、ボディータッチされようとも「これは仕事上での社交辞令なんだ」と気を強く持ちましょうね。マジで。 林 孝匡(はやし たかまさ) 【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。情報発信が専門の弁護士です。 専門分野は労働関係。好きな言葉は替え玉無料。
林 孝匡