地域の良さをアートに 陶芸や彫刻、グラフィック作品…葛尾と浪江で展示
福島県浜通りを中心とした地域でのアート活動を支援する経済産業省の「ハマカルアートプロジェクト」の一環で制作された作品の二つの展示会が4日、葛尾村や浪江町で始まった。芸術家らが住民との交流や、地域の風土を生かして制作した作品を紹介している。
葛尾で制作、新曲も
一般社団法人とおがったプロジェクト(宮城県)は、「Close to…(よりそう)」をテーマに3人のアーティストが葛尾村で制作した陶芸や彫刻作品を12日まで、村内の復興交流館あぜりあで展示している。 陶芸が専門の杉山仁彦さん(名古屋芸術大大学院1年)、彫刻専門の高田優一郎さん(秋田公立美術大4年)の2人は、それぞれの得意分野を生かして、村の土を使った焼き物や、風景や風土を踏まえた彫刻作品などを制作。シンガー・ソングライターの幹(みき)さん(宮城県蔵王町)は葛尾村を題材に新曲を作った。 初日の4日は、あぜりあで発表イベントが開かれ、3人が作品への思いや滞在して感じた村の良さなどを語ったほか、幹さんが歌を披露した。 開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館。問い合わせは、とおがったプロジェクト(電話090・8615・9054)へ。
「浪江の色」でグラフィック
現代美術作家の折田千秋さん(秋田公立美術大助手)は、葛尾村と浪江町の地域風景から感じる色のイメージを基にしたグラフィック作品を作った。葛尾村の復興交流館あぜりあと、浪江町の「Studio Bー6」で18日まで、作品を披露している。 折田さんは、葛尾村の田園風景や浪江町の請戸浜など、地域のなじみの風景を題材に、住民からその風景から感じる色のイメージを聞き取り、デジタルデータにより風景を再構築して作品「コレクティブ・イメージ」を制作した。葛尾村の作品2点、浪江町の作品6点をそれぞれの会場に展示している。 「Studio Bー6」の開館時間は午前11時~午後6時。13日午前11時からは同施設でトークイベントを開く。問い合わせは折田さん(メールochiaki1129@gmail.com)へ。
福島民友新聞