女子プロのアイアン事情に変化あり!? やさしい中空よりも曲げられる軟鉄鍛造アイアンの人気が上昇中
アイアンのロフトは「7番・31度」がちょうどいい?
ロフト調整はもちろん飛距離の微調整が最大の目的ですが、「Xフォージドスター」は寝かせる選手が多く、「ブループリントS」は立たせる選手が多いというのは面白い点かもしれません。 「『Xフォージドスター』は7番アイアンのロフトが29度、『ブループリントS』は7番アイアンのロフトが33度です。前者を2度寝かせ、後者を2度立てるということは、どちらも7番アイアンで31度にしているということ。この『7番31度』というのは、女子プロたちにとって“ちょうどいい”ロフトといえるのでしょう」 「いま、『飛び系』と呼ばれるアイアンのロフトが7番で29度以下という感じ。それよりも少し多いぐらいが、女子プロにとって、適度に飛んでグリーンに球が止められる“ちょうどいい”ロフトなんだと思います。もちろん全員がそうではないでしょうが、これは一般男性にも当てはまる一つの目安と考えていいと思います」(小倉店長) なおロフト調整にはもう一つの効果があります。それは構えたときの見た目とバンス角の変化です。 一般的に、アイアンのロフトを立てるとフェースプログレッション(FP)が小さくなってグースネックっぽくなり、バンス角は減ります。反対にロフトを寝かせるとFPが大きくなってストレートネック的になり、バンス角は増えます。 プロたちは、飛距離に加えてこういった点も考慮してロフト調整することで、自分好みのアイアンにアレンジしているのです。 「軟鉄鍛造は難しそう」と感じる人も多いようですが、ロフトやライ角の調整まで行って自分にピッタリマッチさせることで、単純なヘッド性能だけでは得られない本当の意味での「やさしさ」が得られるのが軟鉄鍛造アイアンなのです。
鈴木康介