親の認知症が気になるし不動産の管理もあるので「後見制度」を検討しています。身内が後見人になれば費用もかからないでしょうか?
注意点(2)身内が法定後見人でも成年後見監督人がつくと監督人報酬が発生する
法定後見制度では、後見人の支援や不正防止などを目的に、法定後見人とは別に成年後見監督人が選任されることがあります。希望どおり身内が法定後見人に選任され、後見人の報酬をなしにできたとしても、成年後見監督人が選任されると監督人報酬が発生します。 成年後見監督人の報酬の目安は、管理財産の金額に応じて月額1万円~2万5000円です。後見人にサポートが必要な場合のほか、被後見人の流動資産額が1000万円を超える場合などにも、原則として専門家が成年後見監督人に就任することになります。
注意点(3)任意後見制度では身内を後見人に指名できるが任意後見監督人の報酬が発生する
任意後見制度は、認知症などで本人が判断能力を失う前に制度で支援を受ける内容や後見人になる人(任意後見受任者)を任意後見契約に定めておき、判断能力が失われたのちに契約を発効する制度です。 任意後見契約を発効するには、裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てなければなりません。任意後見受任者の身内(配偶者や直系血族、兄弟姉妹)は任意後見監督人にはなれず、任意後見監督人には被後見人の財産のなかから裁判所が決めた報酬を支払う必要があります。 任意後見監督人の報酬の目安は、管理財産の金額に応じて月額1万円~2万5000円です。
費用をかけずに成年後見制度を利用できるケースは多くない
成年後見制度の利用で報酬の負担が発生しないのは、法定後見制度で身内が法定後見人に選任された場合で、なおかつ成年後見監督人が選任されない場合です。身内が後見人になれば絶対に費用が発生しない、ということではない点に注意しましょう。 費用をおさえることも大切ですが、本当に大切なのは被後見人の財産を適切に管理することです。専門家のサポートを受けたほうがよいケースもあるため、慎重に検討しましょう。 出典 裁判所 成年後見人等の報酬額のめやす 法務省 成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A Q3~Q15 「法定後見制度について」 裁判所 東京家庭裁判所後見センター 後見センターレポート vol.21(令和2年1月) 裁判所 東京家庭裁判所後見センター 後見センターレポート vol.22(令和2年1月) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部