「米国の黄金時代到来」 トランプ氏の早々「勝利宣言」に会場歓喜
5日投開票の米大統領選では、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)を破り、当選を確実にした。米主要各メディアの報道に先行し、トランプ氏は6日未明、早々と「勝利」を宣言した。 【写真まとめ】トランプ氏が「勝利宣言」 イバンカさん、バロンさんら勢ぞろい 南部フロリダ州ウェストパームビーチ。6日午前2時25分ごろ、ライブ中継されている会場に、カントリー音楽の大物リー・グリーンウッドさんによる「ゴッド・ブレス・ザ・USA」(米国に神の祝福を)が流れた。トランプ氏が登場すると、支持者らは撮影のため一斉にスマートフォンを向けた。 「今夜、私たちは歴史を作った。今まで目にしたことがない政治的な勝利だ。第47代大統領に選出されたという素晴らしい名誉を米国民に感謝したい」。トランプ氏がこう語りかけると、会場は拍手と歓声で沸いた。 副大統領候補のバンス連邦上院議員らのスピーチも交え、演説は約25分間続いた。トランプ氏は支持者を前に「命をかけて、毎日皆さんのために戦う」と訴え、「強く、安全で、繁栄した米国を実現するまで休むつもりはない。米国に真の黄金時代が到来する」と強調。「米国民にとって見事な勝利で、米国を再び偉大にする」とアピールした。 大統領選と同時実施された連邦議会の上下両院選では、共和党が上院で4年ぶりに多数派を民主党から奪還した。トランプ氏はこれにも満足感を示し、下院でも自党が多数派を維持するとの自信を示した。 米メディアはこれまでに、トランプ氏が激戦7州のうち、南部ノースカロライナ州、ジョージア州、東部ペンシルベニア州の3州で勝利を確実にしたと報じた。 民主党支持者が多い東部ニューヨーク州はハリス氏が制したものの、ここでもトランプ氏は前回2020年大統領選よりも得票率を伸ばしている模様だ。 背景の一つは、バイデン政権に対する経済面での不満だ。ニューヨーク市でクリーニング店を営むヌラル・アラムさん(49)はこれまでの大統領選では民主党候補に投票していたが、今回はトランプ氏に票を投じた。理由について「この4年間は物価高が進んで悲惨だった。トランプ氏が大統領だったころは景気が良かった。もう一度、経済を立て直してほしい」と話した。【ニューヨーク中村聡也】